宿に帰ると、宿の家族なのかわからないが、一階が結構賑わっていた。

二階にあがり、部屋に入る。

カビ臭いのは消えたようだ。鼻が慣れたのかな?

ダブルベッドの方を使わせてもらい、毛布の中に寝袋を敷く。

まだ慣れていないので、念には念を…ダニとか虫とか、ちょっと怖い。

シャワーは一階にひとつしかないので、先にチワワさんに行ってもらう。

アタシはその間、ボーっと寝袋の上に横たわっていた。


しばらくしてチワワさんが戻ってくる。

「そこにいる男の子に10Dh渡せば、お湯出してくれるよ」

10Dhを握りしめ、タオルと着替えを持って、ビーチサンダルで一階に向かう。

男の子が何人か騒いでいた。

一人がアタシに気づいてくれたので、

「シャワー…」

と言って10Dh渡す。

すると、どうぞ~的な感じでドア内を指す。

…なんだ、お湯を出す何かスイッチとかあるんじゃないのか。

10Dhはシャワーの利用代金か。


脱衣所に入り、ドアを閉める…

が、鍵もなければ、壊れていてちゃんとしまらない!

シャワーのドアでしょ!?しかも外にはモロッコ男性たち…

これは怖すぎる…

しかも荷物置く場所もないし…

さっさと脱いでもうひとつ扉をあけて、シャワーの中に入る。

もちろんシャワーの扉にも鍵はない。


蛇口をひねると、しばらくしてお湯が出てきた。

温度はまぁまぁである。

でもやっぱり水圧が足りない…

なんて贅沢は言えない。

スペインからの時間と、夜行列車…昼間の土埃と喧騒を洗い流す。

お湯を浴びれるって素晴らしい☆


さっさと体を拭いて、服をざっと着て、シャワーを後にする。

「サンキュ~」

はぁ…緊張するシャワーだ…もっとゆっくりお風呂に入りたい…


部屋に戻って、窮屈に凝り固まった体を伸ばす。

ストレッチは気持ちいいなぁ…

と思いながらふと見上げると、三階の人と目が合ってしまった。

ドアの上に小さな扉があり、空気穴として開けていたので、

上の階からは丸見えになっていたのだった。

見ちゃった人…ごめんなさい。


明日は7時に集合だから早く寝なきゃ。。。

と言いつつ、チワワさんが買ったサンダル試着撮影会などが開かれ、

0時をまわってしまった。

新年だから外出る?なんて言っていたけど、

結局出る気力もなくなり、

しかも外の騒ぎもそこまでじゃなかったので就寝。


ベッドに寝袋を敷いて寝るのも、二回目だけど慣れてきたもんだ。