■どのような街角でも、途切れることのないサウンド!

    …ルンバとゲバラとヘミングウェイの共和国へ!■

 

私が[クーバ]と云う国に興味を抱いたのは、今から5年程前

になる。その頃無謀にも“シルバー国際ボランティア”に憧

れ、これまでのキャリアが生かせる内容の事案を、カリブ海に浮かぶ島国[ジャマイカ]に見つけた。
 

だが、私は、ほぼ英語とは無縁な社会の中で事業を営んでき

た。当然のことだが“ボランティア”と云えども容赦はなかった。

 

東京の広尾まで呼び出されたのは良いのだが、最終の英語リスニング検定で見事に撥ねられてしまった。

当たり前だがこれまで旅の時の、最低限のシドロモドロのトラベラー英語位しか、経験がないのだから!
 

そんな折、カリブ海、[クーバ]と云う国が気に留まったのが

、興味をそそられた最初である。

そして一番に手にしたのが、「[キューバ]に行きたい」著者

:板垣真理子、トンボの本(新潮社)である。


前段が長くなってしまったが、ご紹介させて戴いた著書の内

容に神々と太鼓と音楽」と言う章がある。

 

[ラ・アパーナ]にたどり着き街へ繰り出した処、驚いたことにまるでその著書の内容をなぞるような、街の喧噪の中に放り込まれてしまったのだ。


 

 

私はどちらかと云うならば、音楽と云うものには左程興味が

い。だから、詳しいサウンドの分類などは全く解らない。

 

然し、街を歩くと、勝手に「ルンバ」「ソン」であろうと判断しているリズムが、街中の至る所から押し寄せてくる。

 

不思議なもので、興味が左程ないおじいな私でさえ、歩き方がサウンドに倣って、リズムを踏んで浮足立っているのだ。

…そんなサウンドが、街中から途切れることが先ずない!


 

 

そのリズムの大半は行きかう車から流れてくるものだ!

 

だが、トラベラーが多く行き来する街並を歩いていると、あちらこちらの街角で、年配の方々のグループが使い込んだ楽

器を奏でる姿に出くわす。


 

 

しかしそのサウンドが、「ルンバ」「ソン」「ポレロ」「トローバ」はたまた「サルサ」……。そして「ジャズ」。

 

理屈を別にしても素人にも感じるのが、サウンドの根元には「アフリカの大地」が広がっているように思えてならなかった。


 

 

文献による知識だが、この中でも重要なのは「ルンバ」「ソン」になるらしいのだが、街で流れるサウンドを区別できる

かと云うならば、私には全く無理である。
 

街角の絵に為る年老いた演奏者たちは、安いラム酒をちょっと引っ掛けギターケースを投げ銭の受け皿宜しく、本当に気楽で楽しそうに楽器を奏でている。

 

ついつい足を止め耳を傾けてしまう!実に楽しそうなのだ!

私のようなおっちゃんには、若いよりもこの様なグループの演奏の方が、あじわいがあり耳に心地良いのだ!


 

 

然し、それはそれで微笑ましくもあるのだが、これで生活がどのように成り立っているのかを考えると、心は複雑になる

ルンバとゲバラとヘミングウェイの共和国へ!

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