小学校はアチーブメント、これだけは達成したいという基準で学習が計画されます。
だから、小学校の教員がテストを選択する場合

教室の子ども全体をイメージし

どの子も一応、学習が可能にと考えて選択するので

難易度は高くはならないのです。


一方、中学校は競争試験の高校入試があり

その問題が解けるようにと考えられるので

難易度が高くなります。


「中1の壁」は

小学校と中学校の学習に求められるものが違う事から発生する

学習難易度の格差が作り出しているのです。


INO塾は小学生と中学生の塾として学習に直接関わってきました。

そのことを通して感じてきたものはたくさんあります。


小学校で達成しているはずなのに

達成が不完全なものがあります。

(普通の学習能力の児童によく見られるから問題なのです。)

 

小数のかけ算の小数点の位置の間違い

小数のわり算、特に余りの小数点の位置

異分母の分数のたし算ひき算ができない、等々

小学校の内容が未習得な事が

さらに中学校の学習を困難にしています。

英語の学習は建前のイメージが先行して

本質的な学習の方法があいまいになっています。


「楽しみながら、会話のやり取りを通じて」

というイメージが先行していることが問題点になっています。


識者の指摘するように

赤ちゃんの時から会話を通じて自然に学んでいく母国語ではなく

習得した母国語を基盤に

外国語として体系的に学ぶ視点があいまいになっていることが

英語の学習を混乱させ

かえって難しくしてしまっています。


INO塾は小学部と中学部の塾です。
中学の学習を支援しているからこそ

小学部で何を達成すべきかが見えてくると言えます。

INO塾小学部の方針は以上の事からつむぎ出されます。


英語は外国語の学習であるという視点を明確にし

母国語の国語の学習の成果を基盤に

体系的な文法の学習を中軸に学習を展開するようにします。

発音やリスニングの学習は

その学習とともに学習することが効果的であると考えます。


小学校と中学校の学習格差を克服すべく

先ず、小学校の内容の重要事項に未習得が発生しないよう

間違いは復習を重ねて

確実に習得する方針で取り組みます。

そうして、重要なのは

小学部と中学部の学習をバラバラな切り離されたものではなく

一貫した方針、一貫した方法をもって

学習を育てていくと言う視点です。

 


具体例を示しましょう。


算数は「ひとりで学べる算数」仲松庸次著を採用。
文章題、例えば「速さ、道のり(距離)、時間」を求める文章題の数値を

先ず田の字表に整理します。

 


 

問題 「義隆君は80秒で240m走りました。速さは?」

 

                

      時間を1/80すれば単位時間1秒になることから  
      道のりを1/80にして、X=3m/秒になります。

 

このように

 

距離=速さ×時間   速さ=距離÷時間    時間=距離÷速さ

 

という式が表から導き出せます。

文章題の数値を表に整理することで関係を把握し

計算問題にする方法が明確になることが重要です。


そうして、「距離・速さ・時間」にとどまらず

他の算数数学の多くの単元が

このような二つの量の比例

あるいは、反比例の関係を扱う事から

これは汎用性の広い一貫した方法になり得るのです。

 

 

中学に進めば、方程式を習う事から

田の字表に整理すれば

比例関係は、たすき掛け

反比例は、上下の関係がイコールの方程式になり

この方法はさらに活用しやすくなります。