拙歌です。
信州上州甲州への旅(新日本歌人誌13年1月号掲載)
朝6時早も照りつく陽を浴びて信州上州甲州へ旅立つ
ラテン語にて「命短し科学は長し」文字白き山宣の碑にしばし向えり(上田市別府温泉にて)
土屋文明の墨書の文字のたどたどしほっとしつつもしかとたどりぬ(群馬県高崎市土屋文明文学記念館にて)
桑畑はいずこにありや目に追えば休耕田には青草しげる(群馬県富岡の元製糸工場近くにて)
無言館(新日本歌人誌12年12月号掲載)
無言館をうつむきいでてまばらなる白つめ草の咲く道を行く
澄みわたる緑の丘にひそと立つ無言館にたどりつきたり
無言館に黙して並ぶ遺作画より無念をさけぶ声の聞こゆか
出征の朝も描きし画学生の妻の裸婦像に思いめぐらす
出征の別れの間際にその祖母のそっと涙を拭きしの記さる
沖縄戦首里にて逝きし画学生の白木の箱には紙切れ一枚
戦地からも絵の具を送れともとめたり画学生らの皆死に行きし
