1979年にリリースされたコージ・パウエルのファースト・ソロ・アルバムには、ジャック・ブルース、ドン・エイリー、ゲイリー・ムーアらが参加している。2曲目の「Killer」では、ゲイリー・ムーアのギターが炸裂。それに引きずられるようにコージーとジャックの二人がスピード感あるリズムを刻む。コージーも2バスでゲイリーをバトルを繰り広げている。そして、全体をまとめるのはドン・エイリーのムーグだ。ドラマーやベーシストのソロ・アルバムはテクニックに走りがちだけれど、コージーは、全体のアンサンブルを考えつつプレイしているのがよくわかる。ベーシストの視点でいうと、アルバム全体を通してコージーの相棒を務めるジャック・ブルースが自由に弾いていて気持ちがいいのだ。特に「El Sid」の最後でジャックが弾くベースソロがなんともいい味を出している。
そういえば、ドン・エイリーは、コージー・パウエルとのバンド以降、レインボー、ゲイリー・ムーア、マイケル・シェンカーといったミュージシャンと共演をしてきたが、その後にオジーのバンドに参加。ランディ・ローズがが飛行機事故による墜落死したこの日、セスナに乗る順番がランディより先だったため、墜落死を免れたらしい。現在は、ディープ・パープルでキーボーディストとして活躍している。