XやThreadsで書く様になった小品をここにも載せておきます。

小品と言いながら、「ジョニィの怪我とリラとの件」からは続きモノとなり、「リトルウィッチアカデミアの中国大紀行」となりました。自分でも想定外の展開にびっくりです。でも、これが小説書きの面白さかもしれません。

しかも、ジョニィとリラが付き合う様になってしまいました(種族を超えた禁断の恋‼)

でも、まだ終わりではないので、別記事にて続きます。

 



◆ロッテカンパニー後編に向けて3人の想い(卒業後 2017年)

アッコ

マンババラン島、魔力が集まる島。魔女の棲む島。今、私はそこに居る。未来の魔女を目指す子供たちのために。魔法は私にとって一番素敵なものだった。それを使いこなせる最高の魔女になりたかった。でも、今はそれは自分でなくてもいいと思える。そう、私は教育者であり、伝道者なのだ。(*1)

スーシィ

マンババラン島、それは私の故郷、因習に満ちた小さな世界を飛び出し、遠い国で楽しいことをしてきた。そんな日々を過ごした仲間と今はここに居る。この魔獣の王国、魔力の地殻変動でできた島。もうすぐまた大きな地殻変動が起こる。それは彼女(ロッテ)にとって最高のプレゼントになるだろう。

ロッテ

マンババラン島、暑すぎる(*2) でも、ここで最高の魔法石を見つけないといけない。私は魔道具屋の娘、でも、今は、世界の魔女を目指す子供たちに魔法教材を届ける事業を起こしたい。そのためには暑いなんて言ってられない。スーシィ、アッコと巡り合えたことを神様に感謝して最高の結果を出すわ。


◆アッコの朝のひととき(2023年の魔法祭篇後)(4月12日 朝の夢から)

魔法を使える少女探偵が主人公の小説(*3)、それが新聞で連載中だ。アッコは朝、それを読むのを楽しみにしている。子供の頃は落第しそうな魔法の国のプリンセスが主人公の児童小説(*4)に夢中になっていたアッコ。「私も落第しそうだけど実はすごい子、だったらいいな、なんて思っていたわね。」

「でも、私のご先祖様には風見あつこさん(*5)がいた。目玉おやじ(*6)のせいで一般家系にされちゃったけどね。」と目玉おやじを見ながら家系に思いを馳せるアッコ。
「さて、そろそろ授業だわ。今日はどんな話をしようかしら。」
伝統と革新のクロニクル(*7)を綴ろうとするアッコが確かにそこにいた。


◆ジョニィのテレパシー能力(ジョニィ入学後 現在)(4月13日 朝の夢から)

 (マジョリン×アッコ×ジョニィ)

「なるほど、そういうことなのね。隠し事できないわね。」マジョリン(*8)が頷く。
「そうなんです。全く・・最初は便利と思ったんですけどね。」アッコが笑う。が、声は出ていない。
「心の作用に上達すればセキュリティをかけることもできると思いますけど・・」とジョニィが解説する。

便利なテレパシー能力(魔法)、心の中で呟くだけで会話ができる。ブロードキャストもできてしまう!でも、密接な関係になると呟いていなくとも心の中が読めてしまう様になる。

そんなスタイルになってしまう鳥型妖精ジョニィ君との会話。

社会で頑張るルーナノヴァ卒業生インタビュー後のPUBでのひとときでした。
・・・
「私のツアーに連れて行こうかしら。心の中で叫ぶ沈黙のコンサートとかできそう。」
「側から見たらおかしいと思いますが。。」


◆ジョニィの怪我とリラとの件(4月14日 朝の夢から)

「ふーん、面白いわね。レントゲン撮った事なかったの?」(医者)
「ま、まあ、今までは野生動物みたいなものだったから。」(アッコ)
「でも、大した怪我じゃないわ。」
「ありがとう。」
「先生、やつらの件はどうしましょう?」(生徒)
「そこは警察に任せていますが、警戒は怠らない様に。」

「カガリ先生みたいにもっと身体能力鍛えないとダメですね。魔法に頼らない護身術とか。」(ジョニィ)
「じゃあ、剣道しようか?いきなりだけど。」
ジョニィは翼から魔法で手を作り竹刀を握る。魔法はそれだけだ。基本練習の後、リラと試合を組まされる。

「痛い!」リラの面をくらう。「あ、怪我したとこ。」とアッコ。
痛がるジョニィを介抱するリラ。
「うん、いい感じ。」ほくそ笑むアッコ。
「リラとジョニィは惹かれ合っているはず。テレパシー会話の副産物でわかるわ。種族を超えた禁断の恋💗になるかも」
と、ロッテみたいなことを考えるアッコ。笑笑 (*9)


◆さらわれたジョニィ(4月15日 朝の夢から)

「ごめんなさい、私のせいで。ごめんなさい、ごめんなさい。」 取り乱し、泣きじゃくるリラ。こんなリラを見るのは初めてだ。(*10)
「とにかく警察に協力してジョニィを探し出さないとね。」

「甘く見ていたわ。ただのチンピラかと思っていたけど、プロの仕業ね。」
「その魔女が使った道具から何か手掛かりを掴めないかしら。」
真剣な眼差しで指示をするアッコ。こんなアッコを見るのも初めてだ。
「彼らがジョニィ君を狙った理由は?何が欲しいのかしら・・?」

「あの道具は漁師が使う網の様でした。それでジョニィを網に入れてかっさらって行ったんです。ジョニィがバーニッシュであることが関係しているかもしれません。父さんが何か知っているかもしれないので当たってみます。」 助けに行ったが、今一歩間に合わなかったトーマスが応える。

「それは魔力をも封じる網ね。ちょっと心当たりがあるわ。ダイアナが詳しいことを知っているかもしれない。」

アッコも犯人につながる糸口を少しつかんだようだ。


闇の組織も登場する大掛かりなミステリーになって行きそうな想定外展開。
ジョニィが生まれた地?中国にも舞台は広がり、バーニッシュと闇の組織の関わりが明らかになる?
トーマス父の過去も?

昨日から続くリラとジョニィの物語。今度はリラが襲われ、ジョニィが誘き出された。
2人はこうして事件に巻き込まれていくが、同時に絆を深めて行く。
やがて、それは禁断の恋へと発展して行くことになるのだろうか??💦


◆ジーナ登場(4月16日 朝の思いつき)

はじめまして、ジーナ・モンブランです。」
「はじめまして、アツコ・カガリです。」
「お会いできて光栄です。」
「ありがとうございます。こちらこそ、よろしくお願いします。」
凛々しくも人当たりの良さそうな女性刑事。アッコも安心した。しかも赤味がかった髪はシャリオを思わせる。

こんな素敵な人が魔法で花を出してきた。
「えっ、魔法、使えるのですか。魔法学校に通っていたのですか。」
「いえ、今は良い教材がありますからね。貴方のルームメイトだったロッテさんの教材で学びました。」
そうなんだ、ロッテがやってること、ちゃんと成果出てるじゃない。嬉しくなるアッコ。

「では、始めましょうか。」と、ジーナ。
アッコはダイアナから得た情報を共有し、捜査に協力する。ダイアナはアメリカに出張中だが、なるべく早く戻って来るとのことだった。今やバーニッシュの能力を持つダイアナ、今回の事件は彼女にとっても他人事ではないだろう。

今日のリトアカ ショートショートショート。あっさりニューキャラ登場。アッコと同じ歳のフランス系のシャリオみたいな素敵な女性。
ジョニィをさらっていく時に使われた武器が中国でよく使われていることを突き止めた彼女たちは、トーマス父からの情報も得て動き出す。

 

 

◆リラの想い(4月17日 朝の必然)

「情けない姿を見せて申し訳ありませんでした。」
アッコに謝るリラ。
「いいのよ、気にしてないわ。もう大丈夫なの?」
「ええ、心の整理もできました。ですから、私も捜査に加えて頂けませんか。」
リラの申し出は予想されたものだった。
心配は感情のコントロールだ。

あのリラでさえ心を乱すことがある。それを知ったアッコは確認せざるを得ない。
「ジョニィのことは好きなの?」
一瞬戸惑いを見せるリラ。が、「ええ、好きじゃないと言ったら嘘になります。でも、彼のことが好きではない人が居るのかしら、とも思います。カガリ先生はどうなのですか?」

うまく返してくるリラ。
「私も好きよ。しばらく一緒に暮らしてたし。まあ、弟分としてだけど。」(*11)
「ですよね。羨ましいです。そんな風に私も入っていけたらなぁと思います。」
落ち着いた回答にこの件はこれくらいにしておこうか、と思うアッコ。
「感情的になることはないわね。なら、許可します。」

少しずつではあるが、毎朝、話が進んで行く「ジョニィ誘拐、バーニッシュの闇!?リラとの恋路?篇」←こんなのが突如創発されるとは想定外だったw(*12)
ちょっとコナンぽい?
***
ジーナからアッコに連絡が入った。手掛かりを掴んだらしい!!

 

 

◆少年少女魔法探偵団(4月18日 朝の作)

「ラスタバンに奴らと似た集団が現れたみたい。」ジーナから連絡を受けたアッコが告げる。
「またラスタバンか。国外逃亡を図る気かしら?ファフニールのオジサン大丈夫かな。」
ラスタバンは魔法省が日本の国生み神社の魔女達と結託して超高速レイラインハイウェイを設けた場所だ。

「でも、日本との接続だけじゃないのかな。」
「外から違法に接続されたりしないかしら?」とリラ。経路は他の国も通っている。
「いや、普通に繋がっているよ。モンゴルとも。」とモンゴル出身のマンライバートルが言う。
アッコの部屋には魔法祭を戦った生徒達も集まってきていた。
「え、そうなの!?」

とりあえず警察に向かう。
リラだけでなく、マンライバートル、ユート、アルフレッドのユート組も付いて来た。やんちゃなガキ共だ。
「あんたら、遊びじゃないんだからね。」
警察にはトーマスとその父。そして、トーマスの彼女のパールも来ていた。
「まさか、みんな行く気じゃないよね・・」

アルフレッドは魔法祭で見せたUFOロボの小型版を持ってきていた。「捜査には機動力が要りますから。」
パールもリラデパールでジョニィとシンクロした(*13)だけに助けたい思いでいっぱいだ。トーマスが図らずも関係している可能性があれば尚更だ。
少年少女魔法探偵団がいつの間にかできていた。
 

 

◆バーニングレスキュー(4月18日 夜の作)

「ジーナさんが戻ってきました。」トーマスが叫ぶ。
1人ではなく、2人、いや3人だ。
「え、カリンちゃん!?」 さらにその後ろにはツタで縛られた貧相な男。(*14)
「カリンさんのおかげで一味の1人を捕まえることができました。」
ジーナさんが告げると、一同は驚くも、ユートは得意顔だ。
一番驚いたのはアッコだった。(あの、大人しいカリンちゃんが・・・)

「本当にルーナノヴァの方は予想以上に素晴らしいですね。これなら捜査に加わることも許可しましょう。」
ジーナさんの言葉に「やったーーー!!」と喜ぶガキどもを傍目にアッコは信じられないと言った顔で立ち尽くす。

昔はアッコの無茶に皆が手を焼いていたが、今は新世代の生徒達にアッコが振り回される立場だ。
ユートはカリンとまた一緒に冒険できると大喜びだ。そして、不気味なのはニヤニヤ笑うアルフレッド。
それを見てアッコは嫌な予感を覚える。

「さて、急いでラスタバンに行きましょう。」
捕まえた男から一味はやはりそこから中国に逃げたことが判明していた。
到着したアッコ達を待っていたのは、アッコの嫌な予感通り、イケイケ顔で準備万端のルチア、アイナ、エリスの3人組。しかも、アンドリューとハンナ、バーバラが使っていた魔法省ご用達の3連ホウキ、シャイニィトリスケルに乗っていた。ちなみにルチアはアルフレッドと付き合っている。

「遅いですよ、カガリ先生! 我らが"バーニングレスキュー"はすぐにでも発進できますよ。」
「バーニングレスキュー??」
「そう、バーニッシュのジョニィ君を救出するためのチーム名です!!」(*15)

 

 

◆いざ、中国へ!(4月19日 朝の作)

ジョニィ救出のために勢揃いしたのは、アッコ、リラ、トーマス、トーマス父=ロバート、女性刑事ジーナ、ユート、マンライバートル、アルフレッド、パール、カリン、ルチア、アイナ、エリス、の13人。

ルチア組"バーニングレスキュー"が乗るシャイニィトリスケルがキーンとジェット機の様な音を立てる。シャイニィバレイ系統のホウキは魔力を充填する時、この様な音を出すのだ(*16)。否が応でも出陣の高揚感が高まる。

アッコは使い魔ラモスを呼び寄せドラゴンライダーモードだ。そして、リラが流星丸にまたがる。万能魔女のリラは流星丸も乗りこなせるのだ。トーマスはパールと仲良く2人乗り。トーマス父はジーナと共に魔法警察ご用達の空飛ぶ車だ。ユートはカリンと仲良く2人乗り。マンライバートルとアルフレッドはUFOロボだ。

いよいよ次回から舞台は中国となる!!

 

 

◆中国の謎の魔女(4月20日 朝の作)

「ふふ、ようこそ、中国へ。」
事態は急展開を迎えていた。中国に着いたアッコ達の前に犯人グループのリーダーと思しき魔女が現れたのである。

「そちらから来て頂けるとは、探す手間が省けたわ。さっさとジョニィを返してもらおうかしら。」
アッコが少し怒りを滲ませながらその魔女に告げる。

「彼の安全は保証するわ。なにしろ今や少なくなった貴重なバーニッシュですから。」

「バーニッシュを捕まえて何をするつもりなの?」
動機を探ろうとするアッコ。

「まだ、貴方達は彼の価値を理解していない様ね。」

「いや、分かるぞ。
お前達はプロメアの力を手に入れたいのだろ。それこそ魔力に毒された人間の最たるものだ。それで多くのバーニッシュが不幸になった。」
トーマスの父ロバートが叫ぶ。

今度はジーナが告げる。
「単純なことです。魔法を使った犯罪は重罪。人質を解放し、大人しく投降すれば情状酌量の余地はあるわ。賢明な判断を望みます。」

「ハハハ、警察はそんなことしか言えないの。世の中そんな単純なものじゃないよ。美人刑事さん、まだ若いわね。」
「それにアッコ。貴方、立派になったわね。落ちこぼれがここまでになるとはね。」

「私のこと知っているの?貴方は何者?」

私もカザミ家の血を引く者よ。(*17)

「え・・・」


◆東洋の魔法(4月20日 夜の作)

「どういうこと?あなた日本人なの?」
(いや、家系は詳細に調べたわ。キタロー父さん(*18)は怪しかったけど、他にはそんな怪しい人はいなかった。)

「ううん、ええい!」
一瞬、固まったアッコだが、気を取り直し、
「どこでそんな情報を取って来たか知らないけど、にわかには信じられないわ。でも、もしそうだとしたら私が決着をつけないといけないわね。」

「オバサン、カガリ先生が本気を出したらお前などイチコロだよ。はやく降参しな。」ユートが挑発する。

「オイオイ、ユート君。」

と、その魔女が手から何かを発射した。それは大きく広がり、網のようなものを従え、ユートの方に向かって行った。ジョニィを捕獲した魔力を封じ込める網か!?
「ヤベェ!!」と逃げようとするユート。
だが、魔女の狙いはカリンの方だった。一味の1人を捕まえたカリンの力を警戒しているのだろう。

だが、その時、空間間隙を跨いでラモスがアッコを瞬間移動させる。アッコは既にM3アッコに変身していた。そしてシャイニィスタッフを原典の姿、天羽々斬に変え、網をぶった斬ったのである。

アッコはキタロー父さんと戦った時の反省も踏まえ、スサノオ大王から頂いた魔法神器の力を最大限に引き出すことに成功していたのである。

「ほほう、そこまでやるようになったとは。」感心する謎の魔女。

すんでのところで難を逃れたユートが、また強気に戻る。
「スゲーだろ、我らがカガリ先生は!! 今度こそ降参しな。」

「その本気に敬意を表して、ジョニィのところに案内してやるよ。」

なお、その魔女はアッコと同じように使い魔に乗っていた。ラモスと同じようなドラゴンだ。だが、おそらく中国のドラゴンだろう。

アッコはスーシィの言葉を思い出していた。マンババラン島の冒険(*19)から魏怒羅と戦った時も含めて・・・東洋にはヨーロッパとは異なる魔法体系が存在する。魔獣もまた然り。
(ここは、慎重に行った方がいいわね。敵の情報がまだまだ必要だわ。)

ともすれば猪突猛進する若い頃と違い、アッコは慎重に行動する術も身に付けていた。

 

 

◆戦いの火蓋(4月21日の作)

謎の魔女に連れてこられた一行。

目にしたのは高い場所に磔にされたバーニッシュ・ジョニィの姿。

「安全は保証する、と言っていたけど、あまり快適じゃなさそうね。」
怒りを滲ませたアッコの抗議が魔女の耳に届くのを待たず、リラが飛び出した。

「リラ、早まらないで!」

流星丸に乗ったリラは一瞬にしてジョニィの元に近寄るが、未知の結界がそれを阻む。

「きゃああ!」電撃に打たれた様に落下するリラ!
しかし、地面に叩きつけられる前に炎のクッションがリラと地面の間に作られた。

カチッ、銃を向ける音がした。
「貴方の罪状は明らかだわ。大人しく投降しないと撃つわよ。」
ジーナだ。

「ハハハ、そんなものが私に通用すると思っているの?」

躊躇わず発射するジーナ。しかし、銃弾は結界によって動きを止められる。が、次の瞬間、ジーナがいたのは空中だ!
なんたる跳躍力!どうみても魔法だろう。

銃弾に気を取られた魔女の頭上からジーナは凄まじい切れ味の後ろ回し蹴りを見舞う。そして、想定外のことに体勢を崩した魔女の心臓に銃を突き立て宣告する。

「今度は届きそうね。観念しなさい。」

鮮やかなジーナの技に皆が驚愕した。
「流石、プロは違う!」アッコも感心のあまり、口をあんぐりさせる。

だが、未知の魔女の魔法はそんなものでは終わらない。狙っていた心臓の場所に黒い穴が開き、銃が吸い込まれてしまったのである。

「フフ、武器は無くなったわね。それじゃ、私も肉弾戦と行こうかしら?」

長い足でジーナを蹴り上げる謎の魔女。

「あう!」 地面に転がされるジーナ。

一瞬、悔しさに顔を歪めるが、口笛を吹くと空飛ぶ車が変形した(*20)。ロボットだ!ロボットはただちに先ほどの魔法の解析に入った。
本を出し、古代魔法の書を高速でめくる。
いや、データベースをサーチすればいいので、本を読む演出は要らないだろう、とツッコミたくなるが、人に対するアピールは最高だ!

それを見てマッドサイエンティストコンビのルチアとアルフレッドが思いっきり興奮する。
ルチアも既に臨戦態勢を取り、マトイ・ギア(*21)でアジトの状況をサーチしていた。

「うじゃうじゃ手下が隠れているよ。雑魚は私らルチア組"バーニングレスキュー"に任せてね。アイナ、エリス、やるわよ。」

高まる戦闘の緊張感。皆が気を引き締め出した。

ルチアの報告を聞いたアルフレッドが小型版UFOロボを変形させる。それは学園随一の力持ち、マンライバートルのパワーをさらに強化するパワードスーツとなった。

 

パールが光魔法の魔力をチャージし始めた。トーマスも手を添え、タンデム発射の体勢を整える。

 

ユートは連射の利かない「時の魔法」の力を温存しつつ状況を見極める(*22)。カリンは魔法祭でプロメアとつながる道を拓いた(*23)。奴らがジョニィの次に狙うのはカリンだろう。ユートは身を挺してカリンを守る覚悟だ。

そんな中、アッコはセキュリティを確保したテレパシー通信でジョニィとつながり、彼が捕まってから知り得た情報を受け取っていた。

中国古代魔法の情報だ。

そして、自分の弱さを知ったリラに2度目の覚醒が訪れようとしていたのを誰もが気づいていなかった。

いや、1度目の覚醒を呼び起こしたルチアは何か気づいていたかもしれない。(*24)
 

 

◆リラ(4月22日の作)


磔にされたジョニィのすぐ下でリラは泣いていた。
 

ジョニィを助けようとしたのに何もできなかったことに?
 

アッコから注意されたのに、気持ちを抑えられなかったことに?
 

皆の勢いに自分だけがついて行けていない状況に?
 

いや、そんな誰にでも見える行為の結果ではない。
心の奥底でうごめく途方も無い情動の力を恐れている自分に。
ダリヤ(*25)に指摘され、ルチアにも指摘され、魔法祭でルチアの強引な鉞攻撃で無理矢理解放させられたもう一人の自分に。
 

自分の力じゃ解放できないの?
表に出ているのは弱すぎる自分。

・・・

リラ・・・マイ・リラ (*26)
 

リラの心に不思議な声が聞こえてきた。
 

リラの心、読めるよ。 深く深く・・・ 素敵だよ。
 

だ・・誰??
 

トーマスなら14年前の初めて魔法に触れた時を思い出したかもしれない。
 

アッコなら、これは第2段階のコミュニケーションステージだと断言したかもしれない。
禁断の恋がはじまるかも・・・と軽い気持ちで2人を見たあの時。
やっかいなテレパシー能力と言いながら、今も作戦会議に使っていたその能力。
 

本当はこのためのものだったんだ。
 

リラの周りの空気が揺らぎ始めた。それは次第に青い炎に変わって行く。
 

リラ、君の炎も見せてくれ。
 

 

◆覚醒(4月23日の作)

謎の魔女が耳を押さえる。
波動だ!

ジョニィが翼を広げた!
翼から青白い炎が放たれる。それが脈動を打ち波紋の様に広がる。

「あいつ、ようやく力を見せ始めたか。
あの小娘のせいなのか。」

リラ、君の炎も見せてくれ。
ジョニィの声がリラの心の奥底で響く。
心の奥底に眠る本当のリラ。
そこに届くのは・・リラが心のバリアを取り払った特別な存在。


リラの周りの炎が優雅な弧を描いて飛び回り始めた。リラが笑顔を取り戻した。指をあたかも指揮棒の様に振る。呼応するかの様に動く炎。

「あ、あれは光魔法と同じだわ!」難度の高い光魔法を習得したパールが驚きの声を上げる。
「光魔法と同じ。指に魔力を集中して炎を操っているわ! それを自然とやるなんて。やっぱりリラさんはすごい!」

磔のジョニィにも驚くべき変化が現れた。身体がいくつもの炎に分かれ、霧散したのだ。

そして、リラの周りの炎が形を持ち始める。トーマスが初めてジョニィを見た時と同じだ。

「えーっ!何あれ!?あんな魔法見たことない!」皆が驚きの声を上げる。

形は次第にジョニィとなり、リラを包み込む。

リラ・・マイ・リラ
優しい声がリラの身体に染み込んで行く。
「ハイ💗」その声を力に変え、リラは両手の指を合わせた。

「マズイ!」
謎の魔女は結界を張る、と共に脱出の体勢も取った。

パールとトーマスも合わせた手は離さない。
光魔法チャージ十分よ!

「おおおお!こ・これは・・ダブルLove💗パワー??
アッコがすっとんきょうな声をあげる。
こんな所で笑いを取るアッコ💦

 

 

◆崩壊(4月24日の作)

リラの指先に魔力が集中する。指は最高に繊細で高精度な運動器官。だが、小さな指に膨大な魔力を集めるには研ぎ澄まされた精神力とそれに耐える身体能力が必要だ。なので普通は杖を使う。
リラの才能と厳しい魔女家系の鍛錬はそれを可能とし、さらに異世界の者の計り知れない力も呼び込んだ。

リラ、行くよーーー!!!
ええ、照準は1ミリもズレてないわ。


リラの指先から凄まじく濃縮された炎が殆どビームの様に打ち出される。と同時にリラを包み込むジョニィの翼から渦状の炎がリラのビームに纏わりつく様に放たれ、貫通力と破壊力を兼ね備えた恐るべき攻撃魔法となった。

と、同時にパールとトーマスの指先からも光のシャワーが放たれる。ルルスス・ミラミス・アクディアス!シャニィエナージア!!所謂光魔法である!(*27)

リラのビームが強固な結界に穴を開け、ジョニィの炎が穴を広げる。そしてダメ押しの光のシャワー。
2組の特大攻撃魔法が謎の魔女の結界を見事に粉砕した。

謎の魔女を貫くかと思われたリラのビーム。

しかし、魔女は身体に黒い穴を開けてそれを吸い込むと同時に自らも吸い込まれて消滅した。

「異次元転移魔法だ!」
ジョニィが珍しく魔法の解説をする。
アッコにも共有した中国古代魔法の情報だ。

と、天井付近に再び姿を現した魔女。そして、口笛を吹くと、天井を突き破って使い魔のドラゴンが巨体を震わせて降って来た。

「チャイニーズ・ファイアーボールだわ!!」ジーナが叫ぶ。(*28)

ドラゴンの口の中で巨大な火球が激っていた。

アッコが「ラモス!!」と心の中で叫んだ。
空間間隙を通ってラモスがファイアーボールの前に出現し体当たりをかます。体勢を変えられたドラゴンの火球は天井に命中し、さらなるダメージを受けた天井は崩壊を始めた。

「みんな、退避よ!!」ジーナが叫ぶ。
しかし、手下が邪魔をしに飛び出してきた。

「テイ!テイ!テイ!」ルチア組がシャイニィトリスケルを分離、各人高機動で縦横無尽に飛び回り手下を蹴散らしていく。
剛腕マンライバートルは1人で5人を受け止め、まとめて投げ飛ばす。
そして、華麗に舞いながら鋭い回し蹴りで手下をなぎ倒していくジーナ!
ジーナの姿はまるでバレエダンサー!実はバレエの素養もあるのだ。あまりのカッコ良さと優雅さに目を奪われてカリンに怒られるユート。

そして、崩れゆくアジトから脱出する。アッコはラモスに乗り、リラは流星丸、それに寄り添うジョニィ、ジーナはロバートと空飛ぶ車に再び乗り込む。
ルチア組バーニングレスキューはまた合体して3連ホウキ シャイニィトリスケルで、アルフレッドとマンライバートルはUFOロボ、パールはトーマスと、カリンはユートと2人乗りで、皆来た時と同じ様に空に舞う。

違うのはその中にひときわ輝く火の鳥が居ることだ!!
 

 

◆組織(4月25日 朝の作)

「ジョニィ君、今日はなんだかイケメンだったわね。」

並行して飛びながらアッコがからかう。

「それはリラが魅力的過ぎるからだよ。」
リラに寄り添って飛ぶバーニッシュの鳥型妖精。
リラが少し赤面する。

フィネラン先生の娘さんだけあって基本は堅物のリラ。弾けてしまった後はちょっと恥ずかしさに襲われる。でも、幸せそうだ。

「いっぱいお世話になったリラさんには幸せになって欲しかったので、本当に良かったです。」 パールが口を開く。リラデパールで2人とシンクロしたパール、密かにこうなる気はしていた。

幸せな2人の波動を受けながら、満ち足りた気持ちで帰還を急ぐ一行。
「ひとまず救出には成功した。後は警察の仕事だわ。」

ジーナが中国の魔法警察に連絡を取っていた。

だが、そう簡単には帰してくれなかったのである。
"組織"が・・動き出していた。

今やバーニッシュの力を持つダイアナは一抹の不安にかられながらアッコ達の元へ急いでいた。

 

 

◆天辺輪(4月25日 夜の作)(*29)

「ヨーロッパに現れた我が国由来の鳳凰型バーニッシュ、貴重な逸材を魔法学校の連中に取り返されるとは。まさか、同じ血筋の者が居たことで手加減したとかじゃないわね。」

「いえ、そのようなことはございません。あれは計画なのです。例の魔法学校出身者にはもう一人バーニッシュがおります。」

「人間のバーニッシュか。人に手を出すと我が国の警察もうるさいぞ。」

「うまくやりますので問題はございません。」

中国奥地の高山地帯、山の頂上のさらに上に有る、山をひっくり返した様な構造物の中で、怪しげな会話がなされていた。
 

 

◆ダイアナとM3アッコ(4月27日 朝の作)

「あれ、レイラインハイウェイへの接続口が見当たらないわ。」

「え、どういうこと??」

ラスタバンと日本の国生み神社をつなぐレイラインハイウェイ、そこから中国に至る違法な接続経路は奴等が作ったもの。ある意味想定されたリスクではある。

アッコの水晶玉にダイアナから連絡が入る。
「だいぶ近づいたと思うけど、そちらに行く支線が見つからないわ。そっちから来てくれないかしら。位置はわかる?」

「やったー、さすが困った時のダイアナ頼み。やっぱ頼りになる〜」

水晶玉の位置情報は中国でも機能している様だ。ダイアナの居る場所に向かうアッコ達。

だが、その跡を姿も魔力も隠して追跡している妖精に誰も気づいていなかった。

ダイアナもアッコ達の接近を感じるとレイラインから出る口、龍穴に相当するものを探す。それを見つけるとダイアナは外に出た。

岩山の上にダイアナを見つけたアッコ達は急いで向かうが、そこで驚きの光景を目の当たりにしてしまう!

ダイアナの後ろから狼に乗った男達が現れ、網の様なものを広げてダイアナを捕まえてしまったのである。

ワイルドハントのハンター達にも似た男達だった。
スパイ妖精からアッコ達の位置情報を受け、レイライン内からダイアナの背後に回って捕まえるチャンスを窺っていたのである。

まさか、ダイアナがこんな簡単に捕まってしまうなんて。
アッコは衝撃を受けるもすぐさま、気合を入れ直し、スサノオ大王から頂いた魔法神器を手に取った。普段はロッドサイズだが、祈りを捧げるとアッコの背丈を超える巨大な杖、所謂スタッフと呼ばれるものになった。(*30)

そのパワーを受けてアッコもまた変貌する。魔女服は煌びやかな装飾に飾られた赤を基調とした凛としたものとなり、アッコの髪も赤く染まった。

魏怒羅との戦いで初めて登場し、ダイアナが乗ったダイアナゼノンもといダイナゼノンにラモスが変貌したゴルドバーンと共に合体し、カイゼルグランシャリオンを実現させたマジカル・ミラクル・メリーーーアッコ、略してM3アッコである!(*31)


◆もう1人のバーニッシュ(4月27日 朝の作その2)

ダイアナを助けに行くアッコ!
しかし、彼女の前に黒い穴が開き、謎の魔女が再び出現した。
「貴方の相手は私じゃないかしら、カガリ・アツコ?」

アッコは宿敵と見做す同族の者の出現に動揺するも、今はダイアナを助けるのが先だ。

しかし、謎の魔女は黒い穴を大きく広げ、アッコを包み込むと一緒に吸い込まれ、消えてしまったのである。異次元転移魔法だ。

「え、え、!?」
立て続けに起こったこの事態に皆は茫然とする。

が、「アイビークルネッタグルード!」と呪文の声が響いた。カリンだ!(*32)
異世界少女のカリンは、残されたラモスに魔法をかける。
再び出現するゴルドバーン!!
空間間隙と時間間隙を渡れるラモスに次元超えの能力も加わった黄金竜だ!

「ユート!行くよ!」大人しいはずのカリンがリードする。
ジョニィとリラも続く。ジョニィはバーニッシュ!彼もまた次元超えができる。

「さてと、私達はダイアナを助けるわよ!」
ジーナが叫ぶ!
ジーナの言葉に我に返り、ダイアナを捕まえた男達を追うみんな。真っ先にシャイニィトリスケルに乗るバーニングレスキューが追い付いた。

ルチアがマトイギアの先端をドリルに変える。
「何してくれんの!?世界最高の魔女のダイアナさんに!」
ルチアの気合いの入った一撃で網が破られる。

パールが光魔法を放った。
網から逃れたダイアナを追う男達を牽制する。

男達は、学生とは言え、気迫を剥き出して向かってくる大勢を相手にするのは得策ではないと判断したのか、ダイアナを残して退散した。

「ダイアナさん、大丈夫ですか?」
パールが声をかける。
ダイアナは・・・思いっきり赤面していた。
「申し訳ありません!皆さんを助けに来たつもりが、逆に助けられるなんて。何が世界最高の魔女でしょう?恥ずかしくて穴に入りたい気分ですわ。」

「でも、これで私達もカガリさんを追える様になりました。」
ジーナが冷静な口調で話をする。

「ごめんなさい。今度は私の力で貢献させてください。みなさん集まって。」
ダイアナはみんなを集めると、両手を広げた。
炎がダイアナから広がり皆を包み込む。
ダイアナが「全マルチバース大統領も近いわね。」(*33)と意味不明の冗談を放った異世界超えのバーニッシュの能力だ!
 

 

◆アッコの執筆活動と決戦前夜(4月28日 朝の作)

中国での決戦も終わった数年後。
アッコはロッテの影響もあり、物を書く様になっていた。

ホント、この時は私の転機だったわ。
まあ、転機はいっぱいあるんだけどねー。
アレを知った素晴らしい転機。

カリカリカリと書き始めるアッコ。

******

「あうっ」
異次元の世界で謎の魔女を相手に戦うアッコ。だが戦況は悪い。

「フフ、貴方の自慢の魔法神器もここでは役に立たない様ね。」

アッコは異次元世界に馴染めていなかった。強力な天羽々斬の魔力も行き場を見つけられず、空回りするだけだ。
敵地で戦うことの厳しさを身を持って知るアッコ。

敵の魔法に翻弄されるアッコ、次の瞬間、目の前が開けた。元の世界に戻って来た様だ。しかし目の前に現れたのは磔台。

「あぐっ」 磔台に叩きつけられるアッコ。

ジョニィに代わって今度はアッコが磔にされた。

・・・

「よくやった。鍵となる者を捕らえた。後は我々が欲する異世界と繋がる者だ。」

ここは敵の本部だろうか。組織のボスと思しき者の声だけが聞こえる。

「彼女を助けるため、例のバーニッシュの鳥、異世界から来た少女、そしてバーニッシュの力を持った彼女のパートナーがこちらに向かっております。私の計画通りに。」謎の魔女が応える。

(なんてこと。私が人質になったために・・皆んなが危ない。)
悔しがるアッコ。

*******

「ダイアナさん、行き先はわかるのですか?」
ダイアナの炎に包まれて異次元を移動中のジーナやパール達。
「ええ、大丈夫よ。アッコとは愛💗で繋がっていますから。
ダイアナの意外な回答に歓声を上げるトーマスやルチアのカップル組。

ジーナもダイアナさんってそんなこと言う人なんだ、と微笑む。

どうも「愛」と言う言葉から遠い所に居そうなアッコ、しかし、彼女は実は「愛」を集める天才だったのだ。それに自分だけが気付いていない。

もう一つ、謎の魔女の計算外があった。
アッコの元に向かっているのは中国に居るメンバーだけではなかったのだ。

***マンババラン島にて***

「メイビィ、休日は終わり。出発の時間よ。」

「はい、お姉ちゃん、休みの宿題の薬もできたし、いつでもオッケーよ。」

「フフ、奴らと一戦を交えるのは何世代ぶりなのかしら。今度はとびきりの魔獣を連れて行こうか。」

「もうすぐ、アレも起こりそうなんでしょ?」

「ああ、この島の大きな魔力の地殻変動、トラパー(*34)のビッグウェーブが起こる。それに乗って私達はアソコに行く。
天辺輪(テッペリン)に。」

*******

アッコが書いているこの節のタイトルは、
「決戦‼️テッペリン。信じる心は愛💗」

 

 

◆トラパー(4月29日 朝の作)

ルーナノヴァに保管されているマスタークラウン。
魔法祭にてリラデパールと合体し、リラ、パール、ジョニィの魔力を増幅した再帰の石を持つ魔法神器。

それが反応し始めたのである。

「アーシュラ先生、大変です。マスタークラウンに魔力が戻ろうとしています。」

「こ、これは・・全地球的な何かが起ころうとしているって言うの??

***マンババラン島にて***

「みんな!ビッグウェーブが来るよ!!導波路をテッペリンに向けて形成、急ぐよ。」

スーシィは先祖代々から伝わる古文書と地図から
中国天辺輪の魔女達の元へ行く方法を再現しようとしていた。

「メイビィ、例の薬の用意はいいか?ガーリィ、サービィ、飛行魔獣を呼び寄せるんだ!」

準備は整った。

マンババラン島の中心にあるビッグバーンディラーン山、そこから地鳴りが響き始めた。

錯覚か?山が膨らみ始めた。

「来るよ、来るよ!」

ドドーーーン

山の頂上から虹の光が放たれた!!!
トラパーの放出「セブン・スウェル」だ!!!!(*35)

「波に乗るよーーーー!!!!」

スーシィ、メイビィ、ガーリィ、サービィ、そして、光輝く蝶の様な魔獣、が虹の波に乗ってアッコが捕らえられているテッペリンに向けて飛び立った!!!

BGMは電気グルーヴの「虹」!(*36)

 

 

◆魔力の大波(4月29日 夜の作)

テッペリンの外部監視部隊は、レイラインを始め、意図的に生成した異次元空間も含め、魔力による高速移動経路の監視を行っている。

「ドラゴンに乗った2名、そして、鳳凰と魔女、あと、バーニッシュの魔法に守られた集団が接近中です。」
「計画通りだ。バーニッシュの1名と1体、異世界から来た2名を捕らえよ。」

謎の魔女が指示する。

だが、監視部隊の隊員が異変に気付いた。
「うん?ちょ・ちょっと待ってください。何か正体不明の魔力が近づいてきます。なんだ?これは!」
「国外です!国外から正体不明の魔力が大波の様に迫ってきます!」

ここにきてテッペリンの魔法石も反応し始めた。
「こ、これは!?」
青ざめる監視部隊の隊員。

「トラパー警報です!トラパー警報!!どこかでトラパーが発生した模様。それもセブン・スウェル級です!!」

さぞかし、これが海ならサーファーは大喜びだろう。その大波の上をまるでボディボードかと思う様な巨大な蝶が滑る様に飛んでいた。その上に4名の魔女が乗る。

「トラパーの波に乗って、正体不明の魔獣と魔女がここに突っ込んで来ます!!!」

大混乱に陥るテッペリン。
アッコが磔にされている場所でも混乱が伝わってきた。

再帰魔法石×リフレクション魔法発動!!トラパーをテッペリンに集中!結界をブチ破るよーーー!」
スーシィが再現した方法は最も無茶で荒っぽいものだった。

テッペリンの結界と外壁をブチ破り、スーシィ、ガーリィ、サービィ、メイビィが飛び込んで来た。その後ろには巨大な蝶が翅を広げる。

「お姉ちゃん、荒っぽすぎない? それに、これからどこへ行けばいいの?」
「これだけの騒ぎ。向こうから来るでしょ。」

「あんたら〜❗️💢 ここで会ったが100年目というやつね‼️ 協定違反も甚だしい。」(*37)

「あらあら出てきたよ。怖そうな人が。。。

100年くらいでしょうか? 私は全然存じあげないのですが。」
とぼけるスーシィ。スーシィは時折とてつもなく肝が座る時がある。
因縁の相手であることはスーシィも理解していた・・・・・


 

◆亜細亜 北と南の魔女(4月30日 夜の作)

「大胆不敵にもこの天辺輪に乗り込んでくるとは、何を考えているんだい。気でも狂ったのかい。小娘の分際で。」
漢民族の皇后の様な派手な魔女服に身を包んだ小太りの中年の魔女が罵る。

「小娘じゃないよ、もう26だよ。それに戦争するために来たんじゃない。」スーシィが応える。

「そうなのかい、じゃ、何しに来たんだ?」

「ここに日本の魔女が捕らえられているだろ、彼女を返して欲しいんだ。大切な友達なんだ。」

「あーー、どうしてそれを知っているんだ。ああ、目的を達成すれば返してやるよ。」

「その目的もダメなんだ。目当ては彼女のパートナーに弟だろ。鳳凰なので貴方達のものだと言いたいんだろうが、そんな方法で魔力の増大を図るなんて、それこそ協定違反だ。」

天辺輪の魔女とスーシィ達マンババラン島の魔女は実は亜細亜の北と南の有力な魔女集団で古くからつながりがあったのだ。そして、お互いの力を認識した上で無用な争いを避けるために協定を結んでいたのだ。

「貴様、どうしてそんなことまでを。」 目的を知られていたことに動揺する小太りの魔女。

「ま、いいだろ、そんなことは。この絶妙なバランスで成り立っている魔女界の秩序を崩す危険を冒すことはないだろ。オバサン」

まったく臆することなく応えるスーシィ。普段の彼女からは想像もつかないが、どういうわけか、これまでもアッコが危機の時は人が変わったようになる。

ちょっとタジタジになる衣装の派手さだけが目立つ中年の魔女。

その魔女の周りには様々な衣装に身を包んだ者たちが居た。軽快な騎馬民族の衣装の者も多い。若いが凛々しく、見方によっては男装の麗人と呼べそうな者たちだ。この多様性は多民族国家、中国の縮図の様だった。

「なるほど・・・・ 貴方・・・、見かけによらず聡明だね。それに度胸もある。」
一番後ろに居た煌びやかな装飾品に飾られたセクシーだが品のある魔女服を着こなす長身の美女が口を開いた。
スーシィも彼女を見て少し驚く。若く、しかも絶世の美女だ。

そう、彼女こそ、この高山地方の「山の民の王」にしてテッペリンの最高位の魔女だったのである。(*38)


◆麗麗(5月2日 朝の作)

スーシィがテッペリン最高位の魔女と相対している頃、カリンやダイアナ達もようやく到着した。
その前に立ちはだかる謎の魔女。

「ようこそ、テッペリンへ。貴方達が会いたがっている皆さんのアイドル?カガリさんの所へ連れて行ってあげるわ。」

「アッコに何かあったらタダでは済まさないわよ。」怒りを込めて問い質すダイアナ。

磔にされたアッコの前に連れて行かれる一同。
アッコは、「み、みんな・・ごめんなさい。私が不甲斐無くて。私のことはいいから、戦って。」と泣きそうになりながら言葉を絞り出す。

ジーナが口を開いた。
「麗麗、ありがとう。それにカガリさん、ごめんなさい。」

「麗麗??」
みんな驚く。「誰??」

「ごめんなさい🙇‍♀️ 彼女は私達の仲間、中国魔法警察の潜入捜査官、麗麗なの。」
ジーナの口から衝撃の事実が!!

「ええええーー!?」驚き過ぎるアッコ。

「あの戦いは演技だったの?それに私の家系って??」

「ごめんなさいね🙏 その方が貴方の気合が入るかな?と思って。」謎の魔女こと麗麗が急に親し気な態度で話をしてきた。
その急変ぶりに呆気にとられ、拍子抜けするアッコ。
戦った皆も拍子抜けし、騙されていたことに若干の怒りもあったが総じて安堵した。

「今、貴方の元ルームメイトがテッペリンの主と相対しているわ。そこへ急ぎましょう。」ジーナが次の行動を促す。

「元ルームメイト?」

「そう、マンババラン島の彼女ね。」

「スーシィが?」

「彼女の家系とココとは浅からぬ関係があったので協力を求めていたの。」

「彼女、貴方が捕まったと聞いたら、目の色を変えてとても荒っぽい方法で乗り込んで来たわ。よっぽど貴方のことが好きなのね。



※次回、テッペリンの決戦は、Blog記事容量限界に近づいたこともあり、別記事にて、アッコが後年執筆したタイトル「決戦‼テッペリン。信じる心は愛💗」で行きたいと思います。

 


◆注釈
*1 観光気分のアッコだが本当はちゃんとこう思っている。笑

*2 北欧フィンランド出身のロッテは南国の気候が苦手。
*3 ナンシードルーとトトロとハリーポッターが合わさったような話
*4 らくだい魔女のこと。「10年の時を超えて」第3話参照
*5 「10年の時を超えて」を参照。400年前のご先祖。

   元ネタはアニメミライ初稿時の主人公名。

   アッコの原型ということで先祖になってもらった。
*6 「2023年の魔法祭」を参照(現在はエピローグのみ)。

   200年前のご先祖。

   魔法祭の戦いで肉体を失い目玉だけになる。

   魔法祭篇本編はロッテカンパニー終了後はじまる。
*7 リトルウィッチアカデミアの根底を流れるテーマ
*8 ロックスターの魔女。TVアニメ13話で登場している。

*9 ロッテはシャリオ失踪の原因を禁断の恋と推測していた。

   なお、こんな夢を見たのは、

   「ナイトフォール」元ネタ「トワイライト」の

   禁断の恋に突入するところを読んだせいかもしれない。

*10 なにしろリラはフィネラン先生の娘にして、

    控え目なダイアナと称される、

    超優秀かつ好感度抜群の生徒ですから。

    2023年魔法祭実行委員長を務めたしっかり者で、

    フィネラン先生の美徳を持ちながらもアッコに憧れ、

    魔法祭クライマックスではアッコに抱きついた

    とても素敵な子です。

    2014年のブライトンベリー魔女パレードでは

    8才ながら事件解決に多大な貢献をするなど

    幼い時からスーパーぶりを発揮していました。

*11 魔法祭篇エピローグ(引っ越しエピソード)の後、

    ジョニィが入学できるようになるまで、

    学校生活を教えるためアッコはジョニィを住まわせていた。
*12 ジョニィは私(作者)の化身キャラ。

    リラは私が理想とする人材像を注ぎ込んだ子。

    これは私の心の奥底の願望が噴出したものかもしれない💦

*13 リラデパールとは、リラとパールが乗り込み、

    ジョニィが魔導エンジンのコアとなったロボット。

    アルフレッドが作ったUFOロボにジョニィが乗り込み

    バーニッシュの力で進化させたのがデウス・X・マキナ

    さらにリラとパールとジョニィがシンクロして進化したのが

    リラデパール。

    元ネタは「プロメア」のガロデリオン。

*14 カリンは植物を司る魔法の国から来た異世界の人。

    アイビークルネッタグルードと唱えることで植物を使って

    様々なことができる。今回はツタで犯人の一味の男を捕まえた。

*15 元ネタの「プロメア」ではバーニッシュの火災から人々を守る消防隊。

*16 TVアニメ20話を参照。

    シャイニィバレイはシャリオのホウキ。

    20話ではダイアナとアッコを乗せてジェット機の様な音を

    立てて、爆発的な高速飛行を見せる。

*17 風見あつこの家系。

    江戸時代初期から続く女系の魔女家系。
*18 魔法を危険なものと見なし、

    魔女家系を終わらせた人物。200年を生き、

    現代にて魔法再興を目指すルーナノヴァの魔法祭を襲った。
    今は目玉だけとなり、目玉おやじとして

    アッコの家に居候をしている。
*19 ロッテカンパニー(執筆中)にて

    マスタークラウン創造のために最高の魔法石を

    探し求めた冒険。

*20 「フリクリ プログレ」でジンユが使った技。

*21 「プロメア」でバーニングレスキューが使う道具の一つ。

*22 この世界のユートは実質チトセ(らく魔女)。

*23 異世界少女の力。魏怒羅篇でも異次元の扉を開けた。

*24 母への遠慮や立場から表立っては発露してこなかった

    アッコへの想いを爆発させたのが1度目。

    今度はやはり彼への愛?

*25 リラのルームメイト。ダリヤ・エリクソン。

    リラの力を見抜いた数少ない人物。
*26 「アンの娘リラ」で有名な兄が愛情を込めて呼ぶセリフ。
    なお、その本のリラの本名はマリラ。
    リラという名はアン・フィネランの娘ということで
    その本から取られている。

*27 りぼん版リトルウィッチアカデミアに出てくる魔法。

    なお、パールはその作品のアッコの特質を受け継いでいる。

*28 ハリーポッターに登場するドラゴン"中国火の玉種"

*29 テッペリン 元ネタは「グレンラガン」の螺旋王の居城。

*30 正式名は天羽々斬。スサノオがヤマタノオロチを退治した剣。

    なお、クラウソラスも北欧神話の光の剣のことである。

*31 クラウソラスの原典魔法「マクミル・ミクミル・メクトラル」

    から想起された名称でもある。

*32 カリンの植物魔法。おそらくイグドラシルとつながり

    様々な力を発揮する。

    魏怒羅篇では魏怒羅が逃げた異次元への扉を開いた。

*33 「2023年の魔法祭篇後の引っ越しエピソード」参照

    魔法祭でバーニッシュになったダイアナが

    ポジティブ思考を示したかと思われる冗談。

*34 交響詩篇エウレカセブンより。
    知的生命体である大地、スカブコーラルが発する思考のエネルギー
    人類は枯渇した化石燃料に代わってこれをエネルギーにしている。

    こちらの世界ではイグドラシルの息吹として膨大な魔力の

    噴出現象の名称としている。

*35 交響詩篇エウレカセブン第2話より。
    ここではニルヴァーシュが発動した能力となっている。
    が、虹を含めてインパクト大きいので使わしてもらった。

*36 エウレカセブン最終回。エウレカを助けに行く時にかかる曲。

*37 ナイトフォール元ネタのトワイライトでの吸血鬼と狼男の協定みたいなもの。

*38 山の民の王と言えば彼女。元ネタはキングダムの楊端和。