リトルウィッチアカデミア続編構想。
TVアニメ版の10年後を描く物語。
LITTLE WITCH ACADEMIA Journey through the Decade のあとがきです。

 

PartⅡ構想中ですが、PartⅠ完結にあたり、制作に至った経緯を振り返っておきたくなったので、書いておきます。

 

◆リトルウィッチアカデミアを観た後、ブログを書き始めた理由

 

この時の心境は『「リトルウィッチアカデミア」との出会い 』にかなり書いていますが、なぜそういう気持ちになったのか?背景を含めて振り返っておきたいと思います。

 

1.実生活の悩み

 

これは仕事上の話ですが、中間管理層やリーダークラスの中堅と業務プロセス改善の検討会を行う中でいつも出てくる問題があります。ルーチンワークはともかくとして、クリエイティブで革新的で面白い仕事がなぜ(組織活動として)できないのか? (できているとしても個人のスピリットやスキル任せで極めて属人的な活動に留まっている)

革新を起こすためのプロセスやチームビルディングとは?という問題にいつも悩まされていました。またモチベーションの問題もあります。これは私自身の問題にもなっていて、昔ほど仕事が面白くなくなってきた。面白い対象が見つかりにくくなってきたというのもあります。

 

2.観るエナジードリンクとしてのアニメ(特にTRIGGER)作品

 

そういう状況でしたが、気持ちを奮い立たせてくれる方法として、優れた創作物に触れる疑似体験が有効と思っていました。アニメは沢山見るという方ではありませんが、TRIGGERの作品は元気をもらえるということでは定評があり、私も経験済でした。ただ、そういうのは一時的な逃避、気晴らしの様なものとも言えます。

そんな中、リトルウィッチアカデミアに出会ったのです。正直残念ながら全く知らずTRIGGER作品と知って驚いたものです。

 

これまで同様ぶっとんだ作品で元気をもらえるだろう、と思って観始めましたが、1,2話はいい話ではあるが、まるで文科省推薦の優良アニメと言う感じでTRIGGERにしては物足りない思いもしながら観ていました。が、きっともっと面白くなるに違いない!?という期待で見続けました。3話は結構ぶっとんでいたので良かったです。ただ、きっと面白くなる!という思いが無いとしんどかったかもしれません。最初の方で脱落する人も多いという話も納得はします。

 

3.TRIGGERなのに、おそらく教育的内容だと気づきはじめる。

 

4話はまたいい話になって(ナイトフォールの内容がぶっとんでいたのは良かった)、5話は結構しょうもない話なのですが、気づいたことがあります。魔法界は衰退していく方向、それをアッコが防ごうとしている。これは衰退する伝統産業をアッコのような外から来た変な奴が変革をもたらし再興して行く話ではないか?と。それなら、ビジネス的観点から観る価値はあるかな?と。

6話でさらにその説が強化されます。アンドリューも同じことを言っているからです。6話はお話としてもかなり面白かったです。これで完走できる気がしました。笑

そして7話、かなりマンガチックな話ですが、まあ面白かったですし、アーシュラ先生の名セリフが聞けて良かったです。

そう、アーシュラ先生、2/15から観始めたので、2/20のアーシュラ先生/シャリオ生誕祭に見事なタイミングで遭遇したのです。アーシュラ先生にはかなり惚れていました。まんまと日髙のり子効果にハマりましたが、これも完走の原動力になりました。

 

4.完走、パレード、そしてクロニクル

 

途中書くと長くなるので飛ばしますが(『「リトルウィッチアカデミア」との出会い 』でかなり書いていますので)、完走した後のまず最初の感想は、圧巻の成長物語ということでした。

アーシュラ先生が一番好きだったのですが、24話のアッコのアーシュラ先生への語りでアッコの成長に非常に感銘し、アッコが一番好きなキャラクターになりました。

その後、原点のアニメミライ版と魔法仕掛けのパレードを観ました。

特に魔法仕掛けのパレードは革新に至るプロセスがコンパクトに描かれていて、エンタメとしても優れていますが教育的観点からも素晴らしい作品だと思いました。

そして、公式ガイドブックのクロニクルを手に入れました。

『「リトルウィッチアカデミア」との出会い 』にも書いたようにメタファーとしての魅力が大きかった作品だと思いますが、クロニクルで制作者の思いが明確にわかり、とても良かったです。

自分達の物語であり、アニメ業界を目指す人達へのメッセージだったということ。そういうことなら教育的題材として非常に優れているのは当然だな、と。

単なる気晴らしとしての観るエナジードリンクに留まらず、明らかに深堀して行けば最初のテーマ(悩み)の回答につながるのでは?と思える作品となりました。それが日を追うごとに強くなり、その結果、まず『「リトルウィッチアカデミア」との出会い 』という長文を書いたのでした。

そして、クロニクルに書かれていた「この物語は伝統と革新の継承を描くクロニクル」という言葉。これを受けて、継承の物語を綴って行こうと思ったのです。

 

◆続編の設計

 

1.風見あつこ

 

そういうわけで続編を作ることにしたのですが、最初の案は『「リトルウィッチアカデミア」との出会い 』に書いたものでした。各キャラクターが卒業し職業を持った時のイメージを書いたものでした。物語としてはそれを紹介する短編的なものでした。

しかし、徐々にそれなりの長い物語を作りたくなっていきます。

そのキッカケはクロニクルに書かれていた(採用されなかった)アニメミライ版第1稿「風見あつこ」の存在でした。そのイメージイラストは本編のアッコより大人っぽく、そしてアッコの原型だということ。

そこで思いついたのが、このイメージで大人になったアッコを描き、同時に「風見あつこ」を先祖として設定する。ダイアナと同じくアッコにも伝統の継承者になってもらう、というものでした。

 

2.グリッドマンユニバースからダイナゼノンクロスオーバー

 

そういう検討をしている中、グリッドマンユニバースなる作品が登場します。グリッドマンとダイナゼノンをクロスオーバーした後日譚で、TRIGGERらしくかなりぶっとんだ内容のお祭り映画。

ぶっとび度ではやはりまだリトアカには不満があったので、この要素を取り込みたいな・・・と。

ただ、グリッドマンは実はあまり好きではない。暗い感じ? アカネの立ち位置が主人公たちの世界をことさら虚構の世界にしているようで。それに対しダイナゼノンは結構お気に入り。ギャグ基調なのがいい。5000年前の話も無理のある設定とは言え感情移入できる。そして、なにより上手い具合にリトアカのメンバーに機体を割り当てられる!ということで、ダイナゼノンクロスオーバー案が誕生しました。

 

3.夢(本当の眠っている時の夢)

 

あと、続編を夢で見るというのもありました。

一つはイグドラシルの復活を目指しレイラインを辿るロードムービー的なもの。

そこからオリジナルキャラクターの考古学者のセシルが生まれました。

さらに日本にまで行き、太平洋から巨大な台風と共にやってきたキングギドラと戦うというハチャメチャなものもありました。

これらもアレンジを経て組み込まれて行きます。

 

4.らくだい魔女クロスオーバー

 

というわけで、第1話はレイラインを巡る旅のプロローグ、第2話はセシルとの出会いになったのですが、その頃に「らくだい魔女」なるものに出会います。

「おっ、リトアカと同じ匂いをするもの?」と思い、映画化されたエピソードの原作を読みました。

実際は結構違うのですが、これを読んだせいで、またとんでもない夢を見ます。

リトアカ第8話との融合エピソードです。

第3話の「眠れる夢のアッコと闇の魔女」がそれで、クロワがシャイニィアルクを撃つところも含めてほぼこれをそのまま夢で見ました。驚愕の夢です。ということで速攻で書きあがりました。笑

これをキッカケにらくだい魔女のキャラクターが本格的に登場することとなりました。

カリンちゃんです。植物と会話できる彼女はイグドラシルと会話できる超重要キャラクターとして迎え入れました。

第4話で名前が上がり、第5話で登場しました。

同時にこれは異世界から来た人物として、多様性を語るメタファーとしてもいいなと思ったのです。

 

5.イグドラシルと人間の関係 SDGs的な課題に立ち向かう

 

ダイナゼノンまで入れてエンターテイメントにするには敵が要ります。といっても、人間を敵にはしたくありませんでした。なので、以前から言われている偉大なる魔法の時代の終焉をもたらした人間の科学技術とイグドラシルの関係に焦点を当てました。その関係の歪が気候変動等の地球規模の問題を引き起こしていると。SDGs的でもあり、現代風のテーマであることもいいなと。

そして、キングギドラ(魏怒羅)はその象徴であり、具体的な敵として設定しました。

 

6.次代への継承

 

あと、入れたかったのは次代への継承です。具体的にはアッコの子供のことです。大胆不敵!

その第一段階として使い魔(ドラゴン)を育てるというミッションを与えました。

第二段階は風見あつこからのメッセージです。

当初の案では母親になる決意はさせるものの、誰と結ばれるかはタブー故、うやむやにする予定でした。

 

が、最終回を書いていると、勢い余って(筆が滑って?)百合婚に至ってしまいました。💦💦

書いているうちに変わるというはそれ以外でも結構あります。💦💦

母親と矛盾するのでは?と思いましたが、アッコに不可能は無い!!と勢いで行ってしまいました。

 

◆新世代の幕開け

 

というわけで、今は新世代版の検討中です。

最終回では次回は

・目指せ教頭先生

・目指せマジカルスター

・ダイアコの子

とアッコ目線で挙げていましたが、今は前段階の新キャラクター達の紹介も兼ねての2023年魔法祭編の検討中です。

 

新世代キャラの一番のお気に入りはやはりカリンちゃん。異世界から来た子ということで私ともクロスオーバーします。(中途入社で今の会社からすると前はかなり異世界なので。)

性格的にもロッテとアッコの中間的で良い感じ。(PartⅠの事件でけっこうアッコ側に寄った)

2番目はオリジナルキャラクターの潘明珠(パン・ミンチュー/英語名パール 台湾出身)。アッコ的だがよりピュアな感じで魔力は無い訳ではなく使いこなせないタイプ。少女漫画版リトルウィッチアカデミアのアッコのイメージに近く、また「らくだい魔女」のフウカにも近い。そして、名前からアッコ役の潘さんを意識しているのも確かです。

 

そして、物語のキーアイテムとしてマスタークラウン(月夜の王冠)が出てきます。

まずはこれを巡る物語になります。

誰が創ったものなのか? そして誰が手にするのか?