もう明日で今年も終わり。
さすがに目前に迫ってしまうと
時間の速さに嘆くこともなくなるよ。
2008が2009になるだけ、来年を今年と呼ぶようになるだけさ。
でも、この一年は僕にとって大きな節目になりそうだよ。
たぶん、人生の転機と言えるかもしれない。
偶然、この世界に産み落とされて、数十年生きて、死んでいく
そんなどこにでもいる、い過ぎるくらいいる一人の人間の転機だよ。
これはきっとすごいことなんだと思う。
お店をやろうと思ったこともあるし、
悩みに悩んでた生き方が定まったこともあるけど
それよりもずっと大きなことは
たくさんの素敵な人に出会えたことだと思うんだ。
僕は今年ほど人に影響を与えてもらったことはないよ。
これほど人に関心を持ったこともなかった。
今の会社の人たちは
否応なく尊敬してしまう、そんな人が多くてね
僕はそういう人たちに囲まれて、一日の長い時間を過ごせた。
本当に幸せなことだと思うんだ。
たくさんの経験を分けてもらえたし、笑わせてもらえたし、
自信も与えてもらった。
僕は心からこの会社の人たちが好きだよ。
戻ることができてよかったと思う。本当に。
やめるとき、きっと泣くだろうな。
お店は流れちゃったけど、NPOの関係で
肩書きのある人たちと関係を持てたことも、すごく勉強になった。
こういう世界もあるんだなぁ‥って思ったよ。
向き合うのがすごく不安だったけど
とても社交的で、社交的過ぎて不安にもなるんだけど
少しの言葉である程度のところまで理解してしまう、そういう能力に驚かされた。
認める前と、認めた後と全然対応が違って
それが嬉しくもあり、寂しくもあった。
でも、そんな人たちより僕が出会えて嬉しかったのは
事務所のアルバイトの人だったりして
すごく一生懸命で、どこか抜けてて、真面目で
馬鹿にされたりもしてるんだけど、言葉にちゃんと知性があって
いろんなことをたくさん考えていた。大きなものが隠れてた。
なによりみんなに愛されてたよ。本当に愛されてた。
僕もこんなふうになれたらなぁ‥って思ったんだ。
ちゃんと、心を開いて向き合うと応えてくれるんだ。
真剣に、一生懸命応えてくれる。
お茶菓子代わりにトマトを出す、少し変わった人だけど
無邪気ですごく可愛らしいと思ったよ。
結局、ダメになりそうだけど
建築家の人も素敵だった。
どの話も、なにか深いものがあってね
僕は感心しっぱなしだったんだ。
お花屋さんの旦那さんは、すごく目の優しい人で
お花をすごく大切に思ってて
僕はそういう人、大好きでさ
ワッフル屋さんは、元気で明るくて個性的で
細い体の中にギラギラしたものがあって、
それがすごく魅力的だった。
僕がすごく気に入ってる焼き菓子屋さんは
並べるのもおこがましいくらい尊敬できる人だった。
お話をするだけで、会うだけでなんか嬉しくなっちゃう。元気になっちゃうんだ。
それにすごく素直になれる。恥ずかしいことも平気で言えてしまえるんだ。
なんかちゃんと受け止めてくれてる気がしてね、そういうのってすごく貴重なことだと思うんだ。
掛け替えのないことだと思う。
夢を叶えるってことや、充実するってことが
どんだけ素敵なことなのか感じさせてくれた。
どうすればそうなれるのかも感じさせてくれた。
それがとても難しいことで、なにより大切なことなんだって。
なにか気づかないうちに僕の人生を良い方向に動かしてくれたような気がする。
僕もいつかあんなふうになれたらいいなぁ‥って心から思うよ。
他にもさ、他にもなんて言うのも失礼で
そんな風に扱える人じゃ決してないんだけど
なんだかやたら可愛らしくて
どうしてか僕の心をかき乱して、気づくとどこかへ消えてしまうような
ネコの親分みたいな人にも出会えた。
珍しく僕が戸惑い素直になりきれない人だよ。
一言にするなら、足りないところが多すぎて、だけど余りあり過ぎる人だよ。
褒めようと思えばいくらでも褒められるし、貶そうと思えばいくらでも貶せる
そういう人ってすごく魅力的だと思うんだ。
たぶん、苦労も多いのかもしれないけど、その苦労も税金みたいなものだと思えてしまうよ。
だけど、可哀想なのは綺麗過ぎるところだと思う。
もしかすると、この国で一番綺麗だって思う人がいるかもしれない。
僕ぐらい美に興味を持ってるとさ
逆に、所詮は美に過ぎないと思えるんだけど、世の中そうじゃないからね。
この間久しぶりに会えた友達は
やっぱり優しくて、すごく自然になれて
考えるだけで涙が出てしまいそうになるけれど
僕は本当に幸せものだなぁ‥と、思えた。
それに、とても穏やかで繊細で
春になったら溶けてしまいそうな
雪でつくったうさぎみたいな人にも会わせてくれたしね。
なにしろさ、たくさんの素敵な人に出会えた一年だったよ。
僕はそのことをすごく感謝してる。
だけど、僕は不安になるんだ。
みんなこうしてたくさんのものを僕に与えてくれたけど
一体、僕はみんなのために何ができるんだろう?
僕はみんなに与えられるほどのものを持ってるんだろうか?
今はダメでもさ、いつかはね
いつかはちゃんと、僕もこんな素敵な人たちみたいにね
何かを誰かに与えられるような人になりたいと思う。
何かを感じさせて、困らせてやりたいと思う。
でも、きっと来年もよい年になりそうだよ。
僕がこうしている限り、きっとよい年になるはずだ。
そんな気がするんだよね。