僕にもし子供がいて

どの能力を伸ばす教育を与えたいかと考えると

やっぱり想像力かなと思う。


人が何を思い、何を考えているかをよく知れる子にしたい。

自分の身に起こる出来事を、いち早く察知してもらいたい。

僕たちの前には限りなく広がる世界があって

なにより何十層にも重なる心の世界を知ってほしい。

知らないこと、知れないことがあることを知るのも想像力だよ。

それさえ想像できれば、僕たちはとても素直になれるはずだ。

とても素直な子を僕は大好きになる。

たくさんの人に愛される子になってほしいんだ。







僕はどんな能力よりも想像力が大切だと思ってきた。

むしろ想像力のみ大切なんじゃないかと。


だけど、僕たちはこの世界で生きていかなきゃならない。

生きていくことは行動することだよ。

想像は行動を躊躇させる。勇気を削ぐんだ。

ただ、想像は好奇心を生むんだ。

行動もまた想像から生まれるんだ。



未知への魅惑と、未知への不安

僕たちが行動するその直前まで

心の大半を支配しているよ。

そしてその魅惑と不安が

ときに僕たちを躊躇させ、ときに僕たちの背中を押す。


だけど、行動するのは心じゃない。

僕たちは生きている。だから肉体がある。

肉体を無視して行動はできないよ。

行動する直前まで不安や魅惑にしがみ付いてるのが肉体だよ。

でも、いざ行動に移してしまえば

今度は心が肉体にしがみ付く。

さっきまでとても心強く思えた、荒野に見つけた城塞都市みたいに

なんとも頼りがいのあった心が

いざ、行動に移った途端

口を開けっぴろげにして、アーアー唸って引きずられてる。

行動中の想像はまったく頼りにならないんだ。

頼りにならないんじゃない。

山登りで水中眼鏡が必要ないように、行動に想像は不必要なんだ。

もし、行動中にそんなもの使ってしまうようなら

視野が狭まって歩きにくい。

下手すれば誤って崖から転落してしまう。

行動に移した後の躊躇ほど危険なものはないよ。


そして行動が終了すれば

僕たちはそこでやっと心を取り戻して

笑顔で称えあったり、感動に涙したり、達成感に酔いしれたりする。

すると、想像がまたむくむくと元気を取り戻して

さっきのことなどまるで無かったかのように

堂々と心強く、肉体を支配している。

僕たちはそれを絶え間なく繰り返して生きてるんだな。



できることなら、未知の不安よりも、魅惑をたくさん感じたい。

深夜の学校に1人で入れるくらいの想像力があれば

僕はもう少し賢くなれるのに。