なにしろね、グローバル化の流れは

これまで書いてきたようなものだと思う。



そのグローバル化を推し進めるのはアメリカ

アメリカの新保守派、ネオコンと呼ばれる人たちらしい。


なにゆえ彼らがグローバル化を推し進めるのかといえば

ちゃんと思想の裏づけがあるんだ。


彼らは西欧の歴史を、進歩の歴史だと考えてる。

僕もね、実を言えばその通りかもしれないと思う。

だって西欧以外で、独自に近代化した国があっただろうか?

アジアでいち早く近代化し、世界の強国にまでのぼりつめた日本でも

もしかすると黒船が来なければ、彼らの言う野蛮な国のままだったかもしれない。


僕は韓国人のように、

「独自で近代化できたはずだ!」なんて思えないんだよ。


だけど、それは近代化することが本当に進歩だとしたらだ。

そして進歩と呼ばれるものが、

「人はどう生きるべきか?」という問いの正しい答えならだ。



人は裕福になると何を思うだろう?

満たされた社会の問題は、どの国でも同じだよ。

ニートだって少子化だって国がかかる裕福病の1つさ

裕福になることは自由になることだよ。

もちろん根本的な自由じゃない。

買えるものが増えるとか、使える時間の量とか

所詮そんなものなんだけどね。

多様化された小市民の幸福。

金持ちは喧嘩しないからさ、

多様化を認めて、相対主義に陥る。



世の中に相対主義が浸透するとね

逆に、「正義とは何か?」とか、「自由とは何か?」とか

確かなものを探し始める。

ちょっと前に流行った自分探しの旅ってやつだね。

でも、そういうものにはさ

「みんな右なら俺は左」のようなね

カウンターカルチャーのような

支配的雰囲気への反発なんかが含まれてしまうものだけれど

そうじゃないんだ。

雰囲気を捉えるのじゃなく、

思想的に論理的に相対主義に立ち向かうんだ。

だってね、相対主義は「人はどう生きるべきか?」と問う人の答えにならないのさ。

納得させられない、期待する答えじゃないんだ。

曖昧で、偽善の臭いがプンプンする。

そういうものが嫌いで、

確かなものが欲しくて「人はどう生きるべきか?」と、問うのだから。



そこで生まれたのが、いや、回帰したんだな。

「歴史の進歩」にね。

文化相対主義じゃなく、歴史を進歩させてきたのは西欧文明だとね。


ここにはさ、前提として無条件の現在肯定があるんだけどさ。

たしかに人間は自由と平等が大好きさ。

それはもうパブロフの犬のように。

僕たちだって「平安時代を生きたかった」なんて願う人は少ないからね

自由と平等の社会の実現を

「歴史の進歩」だと考える人は多いだろうね。



たぶんね、ネオコンと呼ばれる人たちはさ

ソ連の崩壊もあるからね

文化相対主義の気だるさに、自由と平等の達成という実績を掲げて

はっきり基準を打ちたてようとした。

西欧こそ進歩の歴史だとね。



どっちが先かはよくわかんないよ。

だけど、アメリカは世界唯一の超大国になった。

その力を背景に、全世界の西欧化を

自由・平等・民主主義・資本主義・個人主義

西欧的価値観をね

波及じゃない、施行していこうとしてるんだね。



僕が西欧人だったとしたら

西欧文明を歴史の進歩だと信じ

賛同しているかもしれない。


だって、歴史を振り返ればさ

大義名分として、君主に勝利し、ファシズムに勝利し

全体主義にも勝利してきたからね

正義だから勝利したのか、勝利に付随するのが正義なのか

僕は後者が正しいと思うけれど

勝利したことは間違いないし、西欧文明の進歩に対抗できるものも見当たらない。



ただ、僕が幸いにして日本人だった。

西欧にだいぶ影響を受けたけれども、まだ違う文化圏で育った。

だから西欧文明こそが進歩だと信じることはできないし

また、進歩を無条件で正義だと信じることもできない。

むしろ、果敢に戦っているイスラムの人たちにシンパシーを感じるくらいだよ。



でもね、少し考えてみればさ

人間の自由は生命の保障があってはじめて謳歌するものでしょ?

近代国家の成立は、自由と平等じゃなく

民衆が生命の保障を求めたからだよ。


生命の保障とは、羊の群れを囲う柵なんだ。

闇の中一夜を過ごすための、獣避けの火なんだよ。


自由と平等を求めすぎて

前提にある生命を保障する柵まで壊してしまう。

本末転倒が行われるんだ。


行過ぎた自由と平等は生命を脅かす。

だけど、そんなことは誰だって気がつくでしょ?

仮に気付かなかったとしても、生命に危うさを感じる段階になれば

自由と平等を掲げて民衆を自分たちを扇動した奴らを許さないでしょ?

「僕たちの望んでた世界は、こんなものじゃない!」ってね。

小泉人気で構造改革をむやみに期待した誰かみたいにね

格差に喘いではじめて叫ぶんだ。


扇動する奴もバカじゃないよ。

彼らは最初から用意してるんだよ。

民衆の生命を保障する力、羊を囲う柵を用意してるんだ。


それが地球市民なら、共産主義の一極支配で

グローバル化なら、アメリカ、西欧文明の一極支配さ。

囲う柵を用意しないで、今ある柵を壊そうなんて思わないよ普通はさ。



なのにね、自由と平等の名の下に行われるグローバル化を疑わない。

積極的に一極支配を支持するなら別だけどね

そうじゃないなら、そんなもの疑わなきゃいけないよ。


素晴らしいと思うどんな価値観だってね

永久不変でいられないんだ。

絶対的な正義なんて存在しないよ。

これだけ宗教が嫌われる世の中なのにね

ブレーメンの笛の音が聴こえてくるよ。