授業の準備のために引っ張り出して来てちょっと読み返しました。

 

昭和48年刊、出家された年ですね。

よって「晴美」名での刊行。

 

鎌倉後期の朝廷が舞台で、愛欲小説と言った趣。

到底高校では扱えないでしょう。

 

のちに出された源氏物語の現代語訳は、中学生だった娘は読破したのに、私は途中で挫折。

その大きな要因は、和歌の訳し方と文体でした。

教科書ガイド並みに直訳されていて、結構ゴツゴツした感じ。

 

当時の教育テレビの講座で「源氏物語は性愛の文学です」とおっしゃったのに臍を曲げた面もあります。

「恋愛を切り口にしている」だけだと思うのです。

 

「とはずがたり」の訳文も当然ながら同じ文体。

明治の女性の伝記小説をいくつか読みましたが、やはりこの文体。

作曲家の作風と同じで、文体というものもここまで確固たるものか、と再認識。

 

一方とにかく読みやすいのが田辺聖子さん。

なので、高校生には田辺さんの源氏物語、枕草子、伊勢物語、今昔物語などを推奨しています。

 

今ご存命なら今年の大河ドラマについてどうおっしゃたでしょうか。

清少納言の描き方には異議を唱えられたであろうと思いますが、紫式部と道長の関係性についてもお聞きしたいところです。

 

一方の寂聴さんは「おもしろいわねえ」とおっしゃる気が。

お二人が源氏について対談された本も持っています。

一度読み返してみないと。