怒涛の4月の直後でもあり、体調が不安でチケットは買わずにいましたが、聞き手を楽しませることに注力されたと思われる曲目に惹かれ、20年ばかり前に買ったリストが編曲した第九のCDの「爆音」を思い出し、足利に行く直前に購入。
いつもの上手後方の通路脇がまだありました。
爆音を聞きに行ったつもりが、冒頭の「子供の領分」の最初の弱音の美しさにうっとり。
パワフルな人だからこその暖かい弱音。
昨年暮れに聞いた清水和音さんもそうでしたし、マツーエフもですよね。
羽田健太郎さんや中村八大さんを髣髴とさせるなどと申し上げたら失礼かもしれませんが、クラシックの枠を越えようかというつややかな音色でした。
今流行りの人たちとは違うなと。
バラードや展覧会での爆音はもちろん存分に味わいました。
宗次と言えば、挨拶どころか長々とトークをなさる方も多いのに、お話は一切なし。
そういう意味でも、往年のスタイルのピアニスト。
演奏家は演奏だけでよいと思います。
爽快。
アンコールはチャイコのセレナーデとジロティ編のバッハのプレリュード、どちらもお洒落でした。
休憩時間にリスト集を買い、またしても1番にサインしていただきました(笑)。
にこやか、丁寧に応対していただき、恐縮あるのみ。
きょうはいつも以上に年齢層の高い客層で、フライングの拍手やスタンディングオベーションはありません。
とても静かに聞くことが出来た次第。
ただ、「領分」や「展覧会」の曲目を調べようとパンフをパラパラめくる人が少し。
順番だってわかりにくいと思うのですが。
展覧会は、プロムナードで移動して次の絵を見ることだけわかれば十分。
美術館で音声ガイドを聞いたことのない私はこういうものもチェックしません。
どっちゃでもええんです。
徳二さんは今日は私の2列後ろにお座りでした。
玄関でのお出迎えは無し。