『ホスピス・緩和ケアに関する意識調査』:ホスピス・緩和ケア研究振興財団 | 中下大樹のブログ

『ホスピス・緩和ケアに関する意識調査』:ホスピス・緩和ケア研究振興財団

公益財団法人日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団は、全国の男女1,000人を対象に『余命が限られた場合、どのような医療を受け、どのような最期を過ごしたいか』についてアンケート調査を実施し、その結果を発表した。


http://style.carenet.com/6672.html


本調査は2011年9月1日~9月17日に調査を実施し、過去2006年・2008年にも実施しており、過去2回の調査との比較も行うことが出来、重要な知見が得られたと公益財団法人日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団はいう。


特に今回の調査は東北大震災の後に実施されたという中で、死に直面すれば宗教は心の支えになると思う人が、過半数を超え、2008年の調査から大幅に増加したという。


※ホスピス・緩和ケアとは:
生命をおびやかす病気にかかった場合、可能な限り人間らしく快適な生活を送られるように援助するケア



私が中でも注目するのは、理想の死に方の部分


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ぽっくり願望のある人は7割を超える。


「もし自分で死に方を決められるとしたら、あなたはどちらが理想だと思いますか」と二者択一でたずねたところ、「ある日、心臓病などで突然死ぬ」と回答した人が70.9%だったが、「(寝込んでもいいので)病気などで徐々に弱って死ぬ」と回答した人は26.3%にとどまった。


性別では特徴はなかったが、年齢層別でみると、年齢層が高い人で、「ある日、心臓病などで突然死ぬ」と回答した人が多い傾向にある。過去の調査と比較すると、「ある日、心臓病などで突然死ぬ」と回答した人は73.9%から若干少なくなっているものの、多くの人が「ぽっくり願望」を持っていることには変わりない。


年齢層が高い人でこの傾向が強いのも、2008年調査も今回調査も同様であった。


ぽっくり派:「家族に迷惑をかけたくないから」「苦しみたくないから」
ゆっくり派:「死の心づもりをしたいから」


理想の死に方に「ある日、心臓病などで突然死ぬ」を選択した人は、その理由として挙げた項目で回答率が最も高かったのは、「家族に迷惑をかけたくないから」(80.9%)で、次いで「苦しみたくないから」が69.8%となり、この2項目が「ぽっくり願望」の大きな背景にあるといえる。


一方、「(寝込んでもいいので)病気などで徐々に弱って死ぬ」ことが理想だと考える人は、「死の心づもりをしたいから」と回答した人が76.6%と、突出して多かった。ぽっくり死にたいか、あるいは徐々に弱って死に向かうか、どちらが理想かという意識の背景には、死を迎える際の考え方に大きな違いがある様子がうかがえる。


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私は自分の著書でも繰り返し述べてきたけど、日本人の多くは病院や施設に自分自身の「生老病死」を外注化してきていることの問題点を繰り返し述べてきた。


結果、今の日本人の8割以上は、病院で死を迎える。


しかし、上記の調査結果をみると、「ピンピンコロリ」でポックリ逝きたいが、約7割を占める。


「胃ろう」問題を持ち出すまでもなく、現実に、病院に入院して、ピンピンコロリで逝くことはあり得ない


病院は「命を延ばす」ための「延命行為」を至上命題とする。従って、死にたくても病院では簡単に死ねないのだ。


病院では、簡単に死ねない現状にもかかわらず、ポックリ願望は依然として根強い。


一言で言うと、日本人には「死生観などない」とも言える。


人間の死亡率は100%で、死なない人はいない。


そして、これからの日本は多死社会であるにも関わらず・・・