自分との接点は全くないけれど

知り合いの知り合い程度の人が

逮捕はされなかったけれど

勤務先で窃盗行為をして解雇された

 

家族もしっかりいる人で

友人や同僚と連絡が取れなくなり

それまで懇意にしていた周りの人たちに

どうしようもない怒りや悲しみが広がった

 

そんなことするような人じゃなかったらしい

 

何年も一緒に仕事をして

がんばってきた姿を誰もが知っているし

一時期メンタルもやられたりして

何もかもは順調ではなかったけれど

みんなと一緒に七転び八起きで生きていた

 

そんな話を聞いて 何も言えなかった

ただうんうんと聞いて

その時は心の整理がつかなかった

 

 

心の不調もあったのかもしれないけれど

なんでそんなことしたんだろう

 

勤務先にも少しは落ち度があったのでは

 

家族にどんな顔してるんだろう

 

自分の友人だったら許せるかな

 

自分だったら

その友人のこれからの人生も助けようとするかな

 

どう付き合っていくかな…

 

 

直の苦しさではないけれど

こんな時どう考えればいいのかと

しばらく頭の中がグルグルして

落ち着かなかった

 

 

この世は演劇

 

出会う人や出来事は 自分の意識の反映

 

世界のすべては 自分の心からできている

 

この世は創り出された幻想だから 解釈は人の数だけ存在する

 

どんな人の中にも 光は存在する

 

その行為だけが その人の人生のすべてではない

 

生まれたときから ずっとそうだったわけではない

 

それまで無理にいい人を演じていたとすれば

本人が抱えていたそれまでの重荷が下りたかもしれない

 

ある環境を打破するために

その人にとっては必要なことだったのかもしれない

 

その話を聞くことになった私の内面を

再確認する機会になった

 

 

そんなことを何とか思い出して考えていると

解雇されたその人は

「そういう役を引き受けてくれた人」に変貌した

 

本人にはそういう意識も

そうしようという意図も全くないし

そんな役を引き受けた記憶は更々ないだろうけど

 

誰にでも公平で慈悲深く

仏さまのような人だけが

“優しい”というわけではないのかもしれない

 

逆菩薩という言葉があるように

ネガティブ側に振り切れて

そういう役を演じることで

こんなことをするとどうなるか周りに教えてくれた

どうすればいいか考えるきっかけを与えてくれた

 

ほんとうに優しい人なのかもしれない

 

そんな解釈が生まれた

 

 

社会的に非難されるような行為をする人を知ると

悲しくなってしまうけれど

それじゃあそんな時どうすればいいか

そんな役を誰かが演じなくていいようにするには…

などと対策を講じる流れはできてくる

 

 

その人の周囲にいた人たちや

私を含めそれを伝え聞いた人たちに

「これくらいいいだろう」

「これくらいでは誰も傷つかないだろう」

「これくらいで大変なことにはならないだろう」

という緩んだ心を意識させてもらえた ともいえる

 

 

自分だってその人と同じ状況になれば

そんなことをするかもしれない…

 

身近な人に

貴重な気づきを与えてくれたのかもしれない

 

 

本来はそういう人ではないと信じるし

その人を許した という感じではない

 

そんな出来事を聞いた自分のために

そういう解釈をして その行為自体を許した

という感じかな

 

そんな役を引き受けてくれて

ありがとうといえる部分もあるにはある

 

 

 

 

ほんとうに優しい人

 

あなたの中には愛と光が存在します

 

その行為だけが本来のあなたではありません

 

あなたのことを大切に思ってくれる人は

きっと傍にいてくれます

 

孤独を感じても

ほんとうの意味でひとりというわけではありません

 

離れていく人がいたとしても

あなたの価値がすべて失われるわけではありません

 

自分にとってほんとうに必要な人が分かります

 

ほんとうの自分の力を思い出して

今から新しく本来の自分を生きてください

 

 

 

苦しんでいる本人や友人に

面と向かってこんなこと言えないし

話す必要ないから

ここに記してみた(^-^;