ずっと許せなかった男性に対する意識が変わった話

 

もう何年前になるだろう。
旧知の仲の男女10人くらいで個室で飲み会をしていたときのこと。
会社をやっている男性が自社の業績がよいという話をしたら、その流れから
「もうかってるなら、銀座のおねえちゃんにパフパフしてもらってるんでしょう?」
と、別のおっさんが楽しそうに口にした。
はぁ?
経営者の男性が答えを言う前にそのおっさんは

"お気に入りの子はいるの?サービスしてもらっていいなぁ"

とさらに生々しい話をつづけた。(ここには書けない完全セクハラレベル)

こういうことを言う人がいたら、どう思いますか?
 「ばかだな」
 「下品だな」
 「失礼だな」
 「むかつくな」
 「くだらない」
 「つまらない」

で、当時の私は、反吐が出ると思った。

つまり腹を立てたわけです。

おいしい食事をしているのに、腐ったものを食べたようなどろりとした感覚がみぞおちに広がる。
 

ただ不快だった。

 

ここで飲み会を切り上げて帰ってしまおうか。
という気持ちを抑えて「いい加減にしてください」と言ったと思う。

飲み会は、男性が中心だったこともあり、
"まぁまぁそんなカリカリしないで"と"お酒の席だし、悪気はないんだから"、と私がたしなめられた。
 

なんで?わたしが悪いの?


そのおっさんとはセルフで共演NGにし、集まりも二度と行くまいと決めた。
飲み会では楽しい話もあっただろうけど、私はその腹立たしいやりとりだけが印象に残った。
そして、その男性のことはずっと許せなかった。

一番仲の良い先輩からも「気持ちはわかるけれど、大人になりなさい」って後からこそっと言われた(遠い目)


心理学界隈では、「怒り」というのは特別でして、本当の感情を隠すやつなんです。
スクラッチみたいに、めくったら必ず別の感情が出てくる。
「男尊女卑に腹を立てる人間は、男尊女卑を認めていることになる」んだそう。
投影しているというか、観念があるとか、まぁそんな感じのメカニズムがあってね。

先日のカウンセリングで、特定の価値観に腹を立てるということは、
自分もそう思っているからだと思いますよと言っていただきました。

そこでなんとなく、銀座でぱふぱふ事件を思い出した。
「銀座で働く女性に対して、私にもなんらかの偏見があったからかな」
と思いあたる。まだ20代だったから、若かったのもある。
そういう仕事を見下す人たちが周りに多かったのも事実。
(水商売の彼女を何人も作って、その女性の家を六本木事業所とか新宿事業所って呼んで曜日ごと転々する先輩がいたり、
20代の時の職場はどうしようもない環境でしたね)
心の中で銀座のお姉さんたちを、私自身も下に見ていて、

だからその女性たちが粗末に言われるのが許せなかったのかもしれない。

今はまったく思わない。仕事に貴賎はないというか、1つの仕事ですよね。
銀座のクラブで働く女性は、接客のプロなんだろうという認識。

自分が、銀座の女性を尊いと思えばですね、
男性のセクハラ発言も意味が変わってくるのです。

考えなおすとむしろ、、、

儲かればあれば女性と楽しく話せるってことは、お金がないと女性と話せない人生だったのかもしれない。
別に事業がうまくいってもいなくても、いい男には年中女性がよってくるよね。
そういえば、その男性のビジュアルや性格は、合コンで人気が出るタイプとは真逆。
モテないおっちゃんを、お金もらって相手してあげている銀座のお姉さん、まじでお疲れ様ですって構図かも。

女性と楽しい恋愛ができなかったから、あんな発言しちゃったのか、むしろかわいそう。
許せないし同じ空気も吸いたくないという怒りや憤りから、「ただのモテない人」という感覚にシフト。
不快なもんは不快なので、この先もできれば関わりたくないのは変わらないけれど、
最低な人間だとか、許せないという感情はなくなった。


モテる、モテないというのは、ひとつの個性なので、それ以上の良し悪しのジャッジはしていない。
身長が高い低いとか、運動ができるできないとか、
仕事ができるとかできないとか、別にそれがよい悪いということはない。
全員が仕事できると、仕事できる人のありがたみがなくなって、需給の関係からその人給与さがっちゃうよ。
モテる人が100%幸せな結婚できるわけでもないし。
彼を否定はしないけど、友人にしたくないとう感情も私の権利だと思っている。



私は全くお酒飲めないので、何度も「人生損してるね」と言われたものですが、
飲み代を支払うのがきつかった学生時代や、大酒のみの友人分も割り勘するときには
確かに「モヤモヤ」していたものです。お酒飲めなくて損した感じ。
でも、今は、1ミリも思わない。

だから、「あー人生損してる!」と言われたところで、こころは無風。
まぁたくさん飲む友人はたくさんはらってくれるし、
当時はそもそも楽しくない付き合いだったってことですよね。


「もぉ!あの人めっちゃむかつくー!」って人が回りにいたら、

あなたの心の奥底でもそう思っている可能性があります
あなたが変わると、気持ちが楽になるかもしれません。


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