「この子には好きなことをして自由に生きてほしい」…子供への想いは誰のため?
結局、良し悪しは本人にしか決められない。


心理学でいう投影や観念という事象。
片付けが苦手なお母さんほど、「整理整頓しなさい」って言ったり、
最近働きすぎているかもと思っている社長は「たまには君も休みもとりなよ」と部下に言葉にしたり。
自分が内心できないと感じていること、やりたいな・できたらいいのにということを、
相手にぶつけてしまうことがあるのです。それが投影です。


親は子供に自分自身を投影してしまう、その距離と愛ゆえに。

すべての子供に100%ためになる選択肢なんて無いんだろうなと思う。


私の友達の中で、一番エリートでゴージャスな教育を受けてきたにも関わらず、
それを一切活用せず、我が道をいって幸せを手にした里奈ちゃんの話をしましょう。

里奈ちゃんとは、8年くらい前に四ツ谷のアジア料理のお店で会いました。
ベトナムだか、タイだかインドだかそういう料理を提供してくれるお店。
そこに行ったのは2度目で、中東な濃ゆい店員さんが手際よく料理を出してくれる。

私は、1度目と同様に、多くサッと食べてサッと帰るつもりだったのです。

まだその時は。

席に着くと、少し離れた奥の席、20代後半の派手な身なりの女性が、大きな声で電話しています。
「だーかーらー、ちゃんとしてるって。大丈夫なんだよ」
(あー。なんか揉めてるだな)と思いました。
明るめ茶色のショートカットで表情までは見えないけれど、声がよく通る。

私はガパオライスかなんかを注文した気がします。
食べている間もずっと電話をしている女性の会話が聞こえます。
「今家の近くのインド料理の店だから、もちろん一人でだよ。ビデオ通話にする?」
(男かな?)
「分かった。私が信じられないなら、ほかの人ならいいんでしょ!
 ちょうどあそこにお姉さんがいるから、あの人に話してもらえば納得するでしょ」
え、私見て言ってます?店内にはその子以外は私だけ。

(え?まさか)
「すみません、私の友達が浮気を疑っているので、ここに私が一人で来ていることを説明してもらっていいですか?」
と、頼まれたのは私。突然のことで何も言えないでいると、電話口に説明する。
「ほら~、いきなりだからお姉さん困ってるじゃん!」
私がたぶん電話もらうモーションをしたんだと思う、電話を渡される。
「え、あ、いえ、はいもしもし。えと、たまたま居合わせた者です。びっくりしました。はい」

電話の向こうの女の子(美優ちゃん)は、友達思いで、その単身赴任でさみしい彼女の
ために時々電話して、浮気をしていないかチェックしているのだそうだ。
悪い子じゃないから怪しまないで、巻きこんでごめんなさいねという感じだった。

「電話。終わりました」
私は仕事の完了を報告するように女の子に電話を戻した。
その時に、無意識に電話を袖で拭ってから渡したので、
「何!?お姉さんいい人な上に、礼儀正しいっていうかすごいね」
と気に入られてしまった。お姉さんと呼ぶくせに、終始タメ語なのだが許せるキャラ。

単身赴任の夫がいなくてさみしくて、仕事もしないといけないけど、
ちゃんと働いたことなくて、バイトも続かないし、特技みたいなんもない。
毎日だらだらしてんの。お姉さんは真面目そうだし、仕事あっていいなぁ。
わたし、OLになりたいの。かっこよくない?それが夢。

お姉さんの仕事は?
「普通の会社員です」(※うそです。フリーランスです)
「超いいじゃん。OLでしょ?めっちゃかっこいい!!そうだ、LINE交換してもいいですか?」
OLになりたいギャル、名前は里奈。年齢は1つ下と判明。気付けば流れでLINE交換してた。

LINEの写真のまつげのボリュームがすごくて、私は本人を二度見した。

「ちょっと盛りすぎ?でもかわいいでしょ?」
"マスカラ" か "まつエク"か、はたまた"つけまつげ?"か、盛るを近距離で体験した。

LINE交換が終わるやいなや、中東・インド風の店員さんに話しかけて
里奈 Today’s a great day!
店員(Why?)
里奈 We've been friend from now! She is~~~.
という会話をおっぱじめた。あまりにナチュラルに。唐突に。


え?英語話せるの?
うん、小さい時からインターナショナルスクール行ってたから、日本語と同じくらい話せる。
ここにはよく来るからみんな友達なんだ。あれはエディって店員さんに手を振る。

「日本語は勉強中だもんね」(^▽^)

 

インターナショナルスクール?

コミュニティケーションお化けやんけ。
で、無職で?OLになりたいだと?
てか私たちもうそんな友達になったの?

「バイリンガルギャル里奈」との物語はここからはじまる。