弊社の60歳オーバーのオヤジさんがいる。
彼はイロイロなボランティアに参加し、
社会システムの向上、支援を地道にしていただいている。
本当に頭の下がるオヤジさんである。

さて、そのオヤジさんの日記を今日は引用してみたい。


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昨日訪問したグーループホームは組織運営上の問題が散見された。

ホーム長は、理想が高く、勉強もしていて、
目標に向かって進む意思も強く立派な管理者である。
しかし、利用者にとって住み心地の良いホームになっているかと言うと
そのようには感じられない。

原因は管理者と職員との意識のギャップにあるような気がする。
管理者は理想の具現化のため、職員に対し
研修、ミーティング等熱心な指導を行っているが、
それが返って職員のプレッシャーになり、
思うようなサービスに繋がってゆかない。

管理者が、職員の気持ちを汲んで、
職員の立場で考えていない点がギャップを生む原因のようだ。
介護職員は低い給与にも拘わらず、
老人の笑顔が救いで仕事をしている人が多い。

正論と現実の差、意識や視点の差がそうさせているようだ。

$会社を変えよう!風土を変えよう!変革を支援するイノベーションアソシエイツ

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こうした事例は本当にどこにでも転がっている。
ある意味、我々のサービスが求められる代表的な事例といえる。


多くの組織で、目指すべき状態があり、
その実現に向けて仕組みや制度、システムを導入する。
しかし、現実にはそう簡単にはいかない。
人間の社会はそんなにシンプルではないのだ。

導入準備の甘さや、日常の運用との乖離があり、
現実的には、当初の想定の半分も機能していないことが珍しくない。

ある調査によれば、ITシステム導入における
プロジェクトの失敗率は実に70%に上るとも言われている。
また、ISO導入企業で生産性向上に寄与し、
仕組みを使いこなしている企業は半分にも満たないという調査結果もある。


こうした原因は、あるべき論と現実のスキマを埋めずにいたこと。
この小さな、見逃してしまいがちなスキマはのちに大きなギャップを生む。

私自身、大手建設会社に勤務していた頃にも数多く目にしたし、
自分が盲目的にISOや業務システム導入を支援し、
失敗したとても苦い経験を持っている。

だからこそ、今、こうしたスキマを埋めるサービスを提供している。
スキマにこそ、成功の可否が隠されている。


ただ、本来、こうしたスキマを埋めることこそ、
管理職層に求められることであり、組織の成長の機会だ。

皆さんの職場はどうだろうか?
あるべき論と現実のスキマを埋める努力は
どの程度なされているだろうか?

おススメは、ゴールを見据えつつ、
小さく始め、現場に埋め込み、徐々に広げる進め方だ。

心当たりのある経営者、管理職の方には
ぜひ、大上段にぶち上げた理想を、
一旦、保留し、改めて、小さく始める勇気を持っていただきたい。

きっと、ギャップは解消され、生産性と一体感を手に入れることができる。