「その人が、
お母さんのことや明偉斗くんのことを
本当に好きなのかどうか、
わたしにはわからないよ。
そうかもしれないし、
そうじゃないのかもしれない」
「もしその人が二人の事を愛していても、
明偉斗くんが痛いことをされていい理由には、
絶対にならないんだよ」
それは自分にも言い聞かせているように、
茜には思えた。
いびつな``好き``に傷つけられて、
それを愛の証だと思い込んでいたあの頃の自分に。
「あたしは、好きっていうのは、
あなたの事が大切だって、
そういう意味だと思ってる。」
「だから――明偉斗くんは、そいつのことを、
ちゃんと嫌いでいいんだよ」
~京都岡崎、月白さんとこ~より
相川真