先日逝去されたアノソニー・ミンゲラ監督に敬意を示し、改めてこの映画を振り返ってみたいと思います. この映画を見る前、とある映画評論家さんが「これまで数多くの作品が『風とともに去りぬ』の再来と言われてきたが、この映画こそまさに『風とともに去りぬ』の再来に相応しい映画だ」とおっしゃられていました. 私は未だに『風とともに去りぬ』を見ていませんが、それでもこのアンソニー・ミンゲラ監督作品は映画史に残る素晴らしきラブストーリーだと思います. 同名小説を映画化したこの映画の素晴らしいところは無駄が少なく、とてもシンプルであることだと思います. 例えば主人公の2人は数々の苦難を乗り越え大恋愛をしたきたという訳ではなく、ただ一度キスをしただけ. なのにその一度のキスが「もう一度会いたい」という想いを募らせ、そしてその想い一つでインマンは死罪覚悟で脱走兵になり、エイダは父の死を乗り越えるように流れ者のルビーと共に自分で生きていく道を模索し始める. 登場人物も多く、特にインマンは脱走の途中でナタリー・ポートマンやフィリップ・シーモア・ホフマンたちに出会うことでより想いが複雑化してもおかしくないところを、この作品は終始「もう一度会いたい」という想いを貫き通すことで物語を洗練しているんですよね. 一時期流行った韓流ドラマのように人間関係も登場人物の気持ちも複雑化するようなものもたまにはいいかも知れませんが、複雑化してしまうとその分無駄なシーンも増えてしまうのも否めません. だからこそやはりシンプルが一番という基本に立ち返ったこの映画は素晴らしいんですよ. 被災時の代替施設、国の機叶立美佐関の半数「なし」 またあれだけインマンとエイダの想いが強かったのに簡単に2人を会わせてしまうかと思えば、その後に待っているとある悲劇. 当初は「なぜに? 」なんて感想も持ちましたが、その後のエイダのシーンを見ると、この映画はインマンとエイダの物語ではなく、2人の「愛の物語」なんだと、そして真の主人公はたくましく生きていこうとするエイダであると気付かされるんですよね. あとこの映画を語るうえで絶対に避けては通れないのがこの作品でアカデミー助演女優賞を受賞したレニー・ゼルヴィガー演じるルビー. まさに適役としかいいようのない感じで、個人的には『ブリジット・ジョーンズの日記』のような悩めるOLを演じるよりも、こういった荒くれ者で口も態度も悪いが根はいい人という役柄の方が似合っている気がしましたね. 今後もこういった役柄を演じてくれれば嬉しいのですが、これまでのフィルモグラフィーを見る限り期待できないかも知れませんね. エアジョーダン バッシュ 深夜らじお@の映画館 はアンソニー・ミンゲラ作品の中ではこの映画が一番好きです.