ということを聞いたりすることはないでしょうか?
「温泉の成分がアトピーのかゆみを抑えるから」とか
「温泉に入るとストレスが発散されるのが原因だ」
とかいろいろ言われていますが、その真偽のほどはどうなのでしょうか?
論文などを調べたところ、温泉がアトピーに効くという科学的な根拠は
ほとんどありませんでしたが、ひとつだけ見つけました。
それは、群馬県の草津温泉のお湯を使った実験です。
131人のアトピー患者に草津温泉で湯治をしてもらった結果、
106人(81%)でアトピーが改善したというものです。
なぜ草津温泉でアトピーが改善したのかについては、
「草津温泉には黄色ブドウ球菌を殺菌する作用があり、
水素、マンガン、ヨウ素の3つのイオンによる」
ということでした。
黄色ブドウ球菌の殺菌でアトピーが改善するというのは、
ティーツリーオイルと同じしくみですね。
ということで、温泉療法は、ある特定の泉質によっては
アトピーに効果があると言えるようです。
ただ、湯治は日常生活から離れ、長期間温泉に入ることで、
ストレスで交感神経優位だった状態が、
副交感神経優位な状態になります。
その結果、免疫バランスが整うことも関係しているのではないでしょうか。
参考文献:
久保田一雄「特集 補完・代替医療の問題点 温泉療法」『日医雑誌』第132巻・第9号,1119-1121,2004