主婦湿疹は、症状が手にだけにみられることから手湿疹とも呼ばれます。
なぜ、手にだけできるのでしょうか。
通常、人の皮膚には毛包(もうほう)と汗腺(かんせん)があり、
毛包には皮脂腺がついていて、皮脂が分泌されます。
皮脂は、皮膚表面を刺激や乾燥から守る脂です。
皮脂と表皮細胞にある脂質、汗腺から分泌される汗が混ざり、
天然の保湿クリームのような役割を果たしています。
しかし、水仕事(洗剤やせっけん、水やお湯)や、
その他にも紙を頻繁に扱う仕事を行っていると、
皮脂や角質が落ちてしまうのです。
それにより皮膚を保護する機能が弱まり、
物をつかむなど物理的な刺激に皮膚が過剰に反応するようになるだけでなく、
刺激物が侵入しやすくなります。
こうして起こるのが「主婦湿疹」です。
主婦湿疹は、一次刺激性接触皮膚炎のひとつです。
アレルギー体質の方は特に生じやすく、
主婦湿疹の原因となる仕事を中止できない方は治りにくいといわれています。
主婦湿疹は大きく「乾燥型」と「湿潤型」の2つのタイプに分けられ、
乾燥型は皮膚がカサカサし、ひどくなるとひび割れが生じます。
指紋が消える、皮膚が硬くなるなどの症状もみられます。
個人差はありますが、利き手の親指、人さし指、
中指などよく使う指先から症状がはじまり、
次第に手のひら全体に広がっていくこともあります。
一方、湿潤型は小さな発疹や水ぶくれができるのが特徴です。
指の腹や手のひらから発症することが多く、手の甲にも症状がみられます。