このところの当ブログで、大谷翔平選手はメジャーリーグぐるみで「スーパースター」に作られたんじゃないかということを書いてきました。

DHと投手を併用できる「大谷ルール」、「盗塁」がしやすくなったルール改正などが「記録達成」を後押し、相手チームの選手まで「手加減」しているように見えるし、「好青年」ぶりの強調……そこにはメディアも最大限の協力をしているわけです。

最近、もうひとり「作られた」スターがいます。先日、「大関」昇進が決定した「大の里」関です。先月の秋場所で2回目の優勝で「直前3場所で33勝」という基準を超え、大関に推挙されました。取り口を観ていても、力もスピードもあり文句なしの強さです。ケガさえしなければ、「横綱」になる素材だと思います。

大の里は大学出身なので「幕下付け出し」で初土俵を踏み、そこからわずか9場所での「大関昇進」は史上最速と話題になっていますが、僕は「ちょっと待った!」と言いたいですね。というのは、大の里は昨年9月に未成年の幕下力士と飲酒していたのです。様々な問題が起こり、コンプライアンス強化に取り組んでいる日本相撲協会ですが、なぜか、この件については、大の里にも師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)も厳重注意だけ。「監督責任」を果たさなっかった二所ノ関親方の降格は当然だし、大の里も少なくとも1場所は「謹慎」じゃないかねえ。

元横綱・白鵬が親方になった「宮城野部屋」なんかは、幕内の北青鵬関が弟弟子に暴行を加えたというので、「監督責任」を問われ、部屋が浅香山部屋に吸収され、宮城野部屋は事実上の閉鎖で「復活」の見込みもありません。「暴行」と「飲酒」という「事の違い」はありますが、あまりにも扱いに差があるんじゃないでしょうか。最多優勝回数を持つ白鵬関に「一代年寄」を認めなかったり、そもそも「差別」があるのでしょう。やはりモンゴル出身の北青鵬関も責任をとって引退しました。

おそらく、大の里を「謹慎」にしてしまったら、「9場所で大関」という記録ができなくなるので、甘い裁定にしたのでしょう。しかも、この「飲酒事件」、昨年9月に起こったのに、日本相撲協会がマスコミに公表したのは今年の4月ですから、できれば「隠し」通したかったんでしょうね。何でも、大の里が未成年の力士をいじめていて「飲酒」もその中で行われていたとも言われているそうですから「隠ぺい」し、そして今、「史上最速のスピード出世」を成し遂げてメデタシメデタシ、「飲酒事件」はまるで無かったことのようになってなっています。

横綱・照ノ富士関も休場が多く、次のスターを望んでいたところに、久々にスケールの大きい力士が登場、しかも日本人力士とあって、相撲協会としてはこのチャンスをどうにかして盛り上げようと目論んだのでしょう。こうして、組織ぐるみのインチキ裁定「ペナルティ無し」によって、「最速大関」という記録が”作られた”のです。(ジャッピー!編集長)