ひとつ前の当ブログで、『ウルトラセブン』の「悪魔の住む花」を取りあげました。

宇宙細菌ダリ―に感染した少女(松坂慶子さん)を救うため、ウルトラセブンがミクロ化して少女の体内で戦うというのは、『ミクロの決死圏』(1966 リチャード・フライシャー監督)の影響を受けていると思います。

もう一つ、明らかに影響を受けていると思えるのが、『ガメラ対大魔獣ジャイガー』(1970 湯浅憲明監督)です。ジャイガーという怪獣は南太平洋の「ウエスタ―島」の石像の下に封じ込められていた?のですが、その石像を「大阪万博」に展示するため堀り出してしまったのです。復活したジャイガーは石像を追って、日本に上陸する……、という物語です。

「ウエスター島」というのはモアイ像がある「イースター島」をもじっているわけです。当時、週刊少年誌の巻頭2色刷りページでよく「イースター島」の神秘とか「モアイ像」の謎みたいな企画が多かった記憶があります。

ジャイガーを迎え撃つガメラとの戦いになるのですが、ジャイガーはガメラの体内に卵を産み付けるのです。ジャイガーは哺乳類ぽい形態だけど、卵を産むから違うのか。「カモノハシ」みたいなものなのか。そういえば、よく見ると「エラ」みたいなものがついているぞ……なんて会話を友だち同士でした記憶がうっすらあります。

ガメラの体内で孵化した「子ジャイガー」と戦うために、「小型潜航艇」に乗ってガメラの中に入っていくのです。「潜航艇」に乗って内臓に入るのは、もろ『ミクロの決死圏』です。巨大なガメラに入るので「ミクロ化」する必要はないのですが、「小型潜航艇」は元々万博で披露するものだったんじゃないかなあ。

『ガメラ』シリーズらしく、この「潜航艇」に乗りこむのは子どもで、日本人とアメリカ人の少年2人です。この体内に産み付けられた卵が「子ジャイガー」になっている場面を観て、子どもだった僕は回虫を連想してしまいました。毎年、学校で「蟯虫検査」をやっていて、僕はけっこう「虫」がいることが多く、「虫下し」を飲んでいたこともあったのです。自分の体の中でジャイガーのような異様なものが育っている……というイメージにとらわれたのです。当時は友だちにもけっこう「虫」がいる子は多かったのです。今はどうなんだろう? 「蟯虫検査」とか今もやっているのかな? (ジャッピー!編集長)