このところの当ブログで、『白い夏』(1957 斎藤武市監督)を取り上げました。

千葉の海辺の田舎町を舞台に、町の有力者が町長選挙で当選するため、町民たちに現金をバラまきます。封筒に入れた200円を配るという、何とも原始的?な「買収」です。田舎町の風景が何ともノンビリしていますし、遠い昔の話のように思えます。いや、実際、1957年(昭和32年)の映画ですから、「昔」なんですよ。戦争が終わってから12年しか経っていない頃で、まだテレビなんか普及していないのです。

しかし、考えてみると、やってることは「今」と似たようなものです。圧倒的に力を持ったボスが君臨して、カネで「票」を買い、好き勝手に政治を私物化し、下々の者は黙っていればいいんだというような。カワイ克行&案里夫妻の例をひくまでもなく、カネで集票するのが当たり前のような政党がまだ大きな顔して中央にドカッと居座っていますからねえ。

繰り返し言いますが、この映画は昭和32年ですよ! そこから65年以上も経って、まだ「政治にはコストがかかる」なんてお題目を唱えているって、どういうことなのかね。数々の疑獄、汚職事件、キシ信介が引きこんだ「統一教会」、様々な「政治とカネ」の問題があっても、少しもこの「仕組み」を変えるつもりもなく、この令和まで来てるってこと自体、異常なことです。そして今また、「裏金」がバレてもなお「企業・団体献金」、「資金集めパーティ」、「政策活動費」を何とか「温存」しようとして「なりふり構わず」やっているのは、よっぽど「甘い汁」なんだろうね。

抜け穴だらけの「改悪」政治資金規正法を強行採決したキシダは、この数日アソ―太郎と会食したり、モテギ敏充がガースーと会食したり、他にもいくつかのグループが「勉強会」と称して集まっていると報じられています。はて? 「派閥」って無くなったんじゃないの? 結局、また群れているし、派閥の長と調整しなきゃならないって、何にも変わってないじゃん。

キシダは昨日20日に、「自民党参院議員総会」に出席、今回の「改悪政治資金規正法」の件について不満の声が出ると、「いろいろな意見があったことは承知している。自民党が生き残るためにはこう決断するしかなかったんだ」と理解を求めたといいます。おっ、自分でポロリしたな。お前、やっぱり「国民の信頼」よりも「自民党の存続」の方が大事なんだな。「裏金」問題に対する「真摯な」反省なんかハナから無いことを自分でゲロりやがった。

『白い夏』の頃から全く変わらない「政治とカネ」、もういい加減にしろと言いたいですが、結局「派閥」も本当に解体できない自民党には「改革」なんてできないのです。(ジャッピー!編集長)