続いて、当ブログ2021年8月22日に書いた「あの頃、GSは『紅白歌合戦』に出れなかった」を以下に再録します。

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ひとつ前の当ブログで、2017年前期の朝ドラ『ひよっこ』に出てきたムネオ叔父さん(峯田和伸さん)がマッシュルーム・カットだった話を書いています。

劇中では、1966年ビートルズの来日公演のとき上京する場面がありましたが、当時の熱狂を示す写真なんかを見ても、日本の若者にマッシュルーム・カットや長髪の人はあまり見当たりません。ムネオ叔父さんは相当に異端だったと思います。

つまり、ビートルズ台風の熱波が日本の音楽界に大きなうねりとなっていましたが、なかなか保守的な層の壁は崩れなかったのです。その当時、グループサウンズはNHKには出られませんでした。「紅白歌合戦」に出場できたGSは、きちんと髪を整え、身なりがキチンとしていた「ジャッキー吉川とブルー・コメッツ」だけでした。まさにジローズが唄った「戦争を知らない子供たち」の一節、♪髪の毛が長いと~許されないなら~ の世界だったのです。(←このジローズの曲だって1971年ですから)

他にも、「夜と朝のあいだに」や「愛の美学」がヒットし、レコード大賞最優秀新人賞も獲ったピーターさんも紅白には出れませんでした。女装なんていうのもNHKコードに触れたのです。

潮目が変わったのは1972年でしょうか。今の人は信じられないかもしれませんが、「どうにもとまらない」の大ヒットを飛ばした山本リンダさんの「へそ出し」の衣装が紅白にふさわしいかどうか話題になったのです。結局、出場が決まりリンダさんはセクシーな衣装で唄ったのでした。同じ1972年、ソロになっていた沢田研二さんが紅白に初登場したのでした。

今や、髪が長かろうが、女装してようが(2016年の紅白にはマツコ・デラックスさんが出てましたね)、へそを出そうが、紅白に出られるようになりました。いい時代になったと思いますが、近年の紅白は、特にAKB一派とか、ジャニーズ系とか、歌というより踊りが主体で、昭和のおっさんとしては、じっくり歌を聴かせてくれる番組を望みたいです。あまり、若者に迎合しなくていいのではいいのではないでしょうか。あ、こんなことを書く僕も保守的になったということかな……

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今や、街を歩いていると、そこら中に「へそ出し」の女性が歩いていますね。昔の人がタイムスリップして来たら、ここが日本とはにわかに信じられないかもしれません。

次のブログに続きます。(ジャッピー!編集長)