今日6月9日は「ロックの日」なんだそうです。「6・9」の語呂合わせですから、もちろん「日本」独自の記念日?なんでしょうね。

「ロックの時代」の幕開けと言われる、ビル・ヘイリーと彼のコメッツの『ロック・アラウンド・ザ・クロック』が映画『暴力教室』(1955 リチャード・ブルックス監督)のオープニングに使用されたように、「ロック」といえば、かつては「反抗」の音楽で若者の専売特許だったわけです。

そんな若い時代を過ぎても「ロック」であり続けることを描いた映画がありました。タイトルもストレートに『キープ・オン・ロッキン』(2003 両沢和幸監督)といいます。主演は岡田浩暉さん。岡田さんが演じる英二は一時は人気バンドだった「ブラフ」のヴォーカリストですが、次第にヒット曲も出なくなり、曲も作れず、メンバー間もギクシャクしてきます。今後どうするか迷っている英二のもとに、実家で工場を経営している父親(井川比佐志さん)が病気で倒れたという知らせが入ります。

故郷に帰って工場を継ぐか、バンドを続けるべきか、英二は迷います。一度、栄光を手にしただけになかなか答えが出せないのです。

父親が亡くなり、地道に家業を継いだり仕事をしている故郷の友人たちの姿を見て、英二は決心します。ヴィジュアル系(グラム・ロック?)で派手な化粧や衣装だった英二が一転、ワイシャツにネクタイという姿で工場の前に立つシーンが清々しいのです。

そして、あれほど曲が書けずに苦しんでいたのに、新しい生活を送る中で新しい音楽が生まれるのです。僕は、これもまた「ロック」だと思うのです。

この映画のポスターには「俺のロックは終わったのか?」というコピーがついていましたが、生活している限り、「ロック」はあり続けるのです。派手なメイクをしなくても、アコースティックギターであろうと、心から歌う情熱があれば、それは「ロック」なんだと思います。年齢なんかじゃなく、「ロック」はスピリッツなんだと教えてくれる映画でした。(ジャッピー!編集長)