このところの当ブログで、名著『アメリカ・インディアン悲史』(藤永茂さん著/朝日選書)を取り上げています。

4つ前の当ブログに書きましたが、北米インディアンの社会では、いくつかの小集団に分かれて、それぞれに「セイチェム」というリーダーを置いていたということをこの本で知りました。「母系世襲」が基本だが、当人にセイチェムに見合う資質、人望がなければその地位にとどまることはできず、逆にセイチェムとしての器があると見れば、女性もセイチェムの座につくことができたといいます。

また、この「セイチェム」というのは人々の代表ではあるが、支配者ではなく、彼らの仕事は本質的に「人々への奉仕」だったと言います。先住民の基本的感情は「平等」であったので、北アメリカの大自然の中で「民主社会」が築かれていたのです。

さて、今「民主国家」であるはずの日本で人々の代表である議員たちはどうかと言うと、「人々への奉仕」どころか「自分の懐を肥やす」ことしか考えていないようにしか見えません。

「キックバック裏金」はもちろん、その「裏金」を自分が代表を務める党支部に寄付して「所得税」優遇措置を受けていたことが発覚しましたね。「裏金」を元手にしたマネー・ロンダリングで、ようもまあこういう「悪知恵」をはたらかせるものだと思います。

この事実上の「脱税」が発覚したカンケ一郎(元アベ派)という奴は発覚後の5月27日に会見し、「何ら法に違反していない」とドヤ顔でほざき、議員辞職を否定しました。「法」の抜け穴を探って金をガメるのはもう政治家の得意技ですねえ。こんな悪知恵野郎がのさばって、血税から歳費を受け取るなんてことは許せません。一刻も早くクビにしてほしいですね。

税を徴収して、その税から給料が出る側が「脱税」して何のおとがめも無しって、どうなっているんだ。何百年も前の北米インディアンの部族連邦よりも「民衆の代表」意識もモラルも低いのがこの国だったのかあ。ハヤシ芳正・官房長官はこのカンケ“脱税”一郎については「政治家であるか否かに関わらず、法令にのっとって適正な申告を行っていただくことが必要」と一般論を言って終わり。何じゃこりゃ。

その一方では、この官房長官、「定額減税」の明記を義務化して、それができない企業には法律違反を適用することもありうると脅しをかけていました。この国の議員というのは「人々への奉仕」どころか「人々をイジメる」が仕事なんでしょうか。(ジャッピー!編集長)