このところの当ブログで、田淵幸一選手のホームラン性の飛球をもぎ取った福本豊選手や、その福本選手の盗塁を「顔」で防いだ稲葉光雄投手のことなど「オールスター戦」のことを書いています。

4つ前の当ブログで、当時、セ・リーグに人気で差をつけられていたパ・リーグはめったにないテレビ中継に張り切っていたということも書きました。ここぞとばかりに、自分たちの実力を見せつけてやろうという「本気度」が違っていたと思います。「人気のセ、実力のパ」なんて呼び方がよくされたものです。

いつのオールスター戦だったか、山田久志投手、鈴木啓示投手、東尾修投手が3イニングずつ投げて、「完封」を公約、見事に果たした試合がありました。確か、その次の試合も先発の村田兆治投手が3回をゼロに抑え、各チームのエースたちが競うように本気のピッチングを見せたのです。今はオールスター戦の規定最長の「3イニング」投げるピッチャーもほとんどいなくなってしまいました。

そして、かつて「パ・リーグの試合はテレビ放送がなかった」のが、今ではセ・リーグの試合も含めて「ナイター中継」そのものがめったにないものとなってしまいました。和製英語の「ナイター」も今の若い人には分からない言葉でしょう。

今、ナイターを観ようと思ったら、BSだか何だかと契約しないとならないんですよね。地上波しか観れない僕のような経済状況では、中継を観ることができないのです。まさか、ナイター中継を観れなくなる未来が待っているとは思いもしなかったなあ……。昔、どこかの国の首相が「貧乏人は麦を食え」と言ったが、今は「貧乏人はラジオ聴け」ってか?

今や、自宅のテレビで「野球中継」を観れるか、観れないかは、有料テレビに加入しているか、そうでないかの「格差」の表象となってしまいました。そういえば、先日のボクシング、井上尚弥チャンピオンの対ネリ選手の「防衛戦」も普通の地上波放送では観れませんでした。

疲れて帰ってきたお父さんがビールを飲んで、座布団を二つ折りにしてゴロッと横になって「ナイター」中継を観ている……昭和の庶民にはお馴染みの場面ですが、もう遠い世界の光景なんですかね。(ジャッピー!編集長)