ひとつ前の当ブログで、ドジャースが本拠地を置くロサンゼルス市が5月17日を「大谷翔平の日」に制定したとことを取りあげました。

背番号にちなんで決めたそうですが、まだドジャースに入ったばかりで、シーズン終えてもいないのに「異例」の扱いです。しかも、シースン真っ只中。かねてから「シーズン中は野球に集中」と言っていたのはどこへやら、高級そうなスーツを着こんで市議会を訪問する大谷選手の写真も公開されました。

どの新聞もテレビも「誇らしい」と大絶賛。何だか、異様な空気を感じます。3月7日の当ブログでも書きましたが、キャンプで大谷選手が初めて打撃練習しただけとか、オープン戦に出ただけなのにトップで報じたニュース番組がありました。そりゃあ、野球選手なんだから「打撃練習」もするし、「オープン戦」も出ますよ。そんな「選手の当たり前の日常」が、ウクライナやガザ、国内の裏金問題より重要って、どんな報道なんだと思います。

公式戦が始まれば、「今日の大谷」コーナーが定番。逐一、打撃結果が流されます。一度びっくりしたのは、塁に出た大谷選手が走塁ミスでアウトになったとき、明らかな「ボーンヘッド」なのに、それは指摘せず「前向きな走塁でしたね」とか好意的に評していたキャスターがいたことです。もう、大谷選手がやることなすこと「全部スバラシイ」という風潮、もはや、大谷選手を批判したら「非国民」みたいな空気になっています。

「野球」どころか、大谷選手の飼い犬の名前が判明したとか、そんなことまでニュース番組の中で扱う必要がどこにあるのかね。これには、できるだけ「大谷翔平」のニュースを優先してくれというスポンサーの意向が相当に入っているのでしょう。聞くところによると、大谷選手が入団し、公式戦の始まった4月以降、ドジャースとスポンサー契約した日本企業は9社もあるそうです。ドジャースが大谷選手に払う10年で1000億円とも言われる莫大な年俸も、もう元をとったという噂も出ています。

好感度抜群のスター・大谷選手にここぞとばかりに群がったスポンサー企業が、テレビ局に「大谷報道」を強く要求するのは大いにありえます。テレビ局側も政治や社会を取材するのと違って、「試合」の映像撮ってりゃいいから手間もかからないしね。こうして「大谷教」の信者に向けて、今日も明日も「大谷選手」の打席がトップニュースで報じられるのです。(ジャッピー!編集長)