さらに続けて、当ブログ2023年3月3日に書いた「“マチズモ”的空気が当たり前になってる日本、当然『男女格差』最下位です」を以下に再録します。

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ひとつ前の当ブログで書いたように、『シー・セッド その名を暴け』(2022 マリア・シュラーダー監督)の主演をつとめたキャリー・マリガンさんは、2年前にも『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2021 エメラルド・フェネル監督)で主演しています。

同じように、男性支配社会に痛烈なアンチを突きつけた『プロミシング・ヤング・ウーマン』では製作総指揮にも名前を連ねております。そんなキャリー・マリガンさんですから、『シー・セッド その名を暴け』のテーマ、監督の意図に共鳴し、出演オファーに応えたのだろうと思います。

その『プロミシング・ヤング・ウーマン』のクライマックス、キャリー・マリガンさんが復讐の標的にする男の結婚前日の「男だけのパーティ」です。いわゆる「バチュラー・パーティ」というんですかね、「独身最後」だから思い切りハメを外していいんだというノリで乱痴気騒ぎをするのです。そこでは、「独身最後」のお相手要員として女性を呼んだりするわけです。もう完全にモノ扱いです。こういう風習?はもちろん「マチズモ(男性優位主義)」の象徴であります。

そして、『シー・セッド その名を暴け』の方には、やはり「セクハラ疑惑」にまみれたトランプ大統領のナマ音声が出てきます。明らかに「セクハラ」ととれるそれを、トランプは「男の与太話だ」と言って済まします。この「男の与太話」に「ロッカー・トーク」とルビがふってあり、うまく字幕をつけているなあと感心しました。

こういった「マチズモ」的悪習を「男の甲斐性」「男なら当たり前」とか言って容認したり、賛美するような空気は、日本にも濃厚に漂っていますね。モリ喜朗の例を出すまでもなく、政治家の発言の端々にみられます。「女性蔑視」はもう日本の「専売特許」みたいになっています。何しろ、OECD加盟の38か国で「男女格差」最下位ですからね。LGBTQや同性婚に関してもそうですが、他の国の周回遅れどころか、もう前のランナーの背中も見えていない位置にいる感じです。

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今、朝ドラ『虎に翼』でヒロイン、寅子(伊藤沙莉さん)の奮闘が描かれていますが、この戦前の頃からあまり変わっていないと思えることが多いですよね。「男性優位」意識丸出しの政治家を放置しているんだからなあ。(ジャッピー!編集長)