ひとつ前の当ブログの最後のところで、NHK朝ドラ『虎に翼』の「法は変な色が混ざらぬよう守るもの」「法を道具に使うな」という台詞にキシダ政権へのアンチがこめられていると感じると書きました。しかもこの回が5月3日の「憲法記念日」に放送というのも意味があると思います。(当ブログ5月3日参照)

そして、1週間後の5月10日(金)の放送も印象深い回でした。再度挑戦した司法試験に合格した寅子(伊藤沙莉さん)は同じく合格した2人の先輩(小林涼子さん、安藤倫子さん)と共にお祝いの席を設けてもらいます。「日本一賢いご婦人たち」と賛辞を受けますが、何かモヤモヤする寅子はこう言います。

「はて? 私は一番になろうと思って勉強してきましたが、日本一とは思っておりません」そして、明律大学で一緒に学んできた仲間のことを思いながら「志なかばで諦めた友、そもそも学ぶことのできなかった人、その選択肢があることすら知らかったご婦人が沢山いたことを知ってます」と続けます。

この中には、口頭試験までいきながら「女性らしくない」服装や態度のため落とされてしまった山田よね(土居志央梨さん)もいます。それに、男性と同じ試験に受かっても、女性がなれるのは「弁護士」のみで、「検事」や「裁判官」の道は閉ざされていたのです。あからさまな性差別に対し、寅子は「女ってだけでできないことばかり。生い立ちや恰好や信念で切り捨てられない、男か女かだけでふるいにかけられない、そんな世の中になることを願います。みんなでしませんか? いや、しましょうよ!」と言うのです。ここは名場面だったと思います。

この台詞、「男女格差」が厳然と横たわっているこの国(ジェンダーギャップ指数、世界146加国中、125位)と、それを本気で変えるつもりのない政権(政治部門では138位。下から8位です)に向けて発していると思います。何しろ、首相のキシダが「女性ならではの感性や共感力を発揮して……」なんてほざく国ですからね。(←当ブログ5月7日ご参照ください)

寅子は最後に「私はそんな社会の中で何かの一番になりたい。そのために良い弁護士になれるよう尽力します。そして困っている人を助けます。男女関係なく!」と高らかに言うのです。ガースーの「自助ファースト」とか、弱者を切り捨てる政策をとってきた政権への強烈な反論だと思います。 (ジャッピー!編集長)