ひとつ前の当ブログで、交通網の発達で「遠く」が失われたという話を書きました。

どんどんスピードがあがって早く目的地に着くようになって、時間が余るのにその時間を何に使ってるんだよということがありました。そうです、5月1日に行われた、環境省の水俣病患者・被害者との「懇談会」の件です。

イトウ信太郎・環境相も出席した中、被害者の方が亡くなられた奥さんへの思いを話しているのに「マイクを切った」のです。その理由が、大臣の帰りの飛行機に間に合わせるためだっていうから本当に頭に来ます。汽車で何日もかかる昔と違って、飛行機で行き帰りできる現代、そこで節約できた時間を有効に使えよ。

だいたい、一人「3分間」って何だよ。あまりにもバカにしているじゃないか。中学生が朝のホームルームで3分間スピーチしているんじゃないぞ。健康被害はもちろん、差別をうけたり、長年にわたる大変な苦難を語るのに、3分間って、血の通った人間ができる設定でしょうか。

さらに被害者の方の思いを聴く「懇親会」を「ケツカッチン」で行うこの非常識。はっきり言って、大臣も官僚も「あんまりこの場にいたくない」「できるだけ早く帰りたい」というのが本音なんじゃないのかね。もう透けて見えてきますよ。

要するに、「声を聞きました」というアリバイを作るためだけにやってるわけです。2021年8月6日に広島で行われた「平和記念式典」で、当時の冷血首相・ガースーが挨拶の原稿を1ページ(114文字)、丸ごと読み飛ばし、文脈が通らない意味不明のまま読み通すということがあったのを思い出します。「読みながら気づかない」のだから、何一つ「思い」を寄せていないということです。「やってる感」を示すために、ただ「流れ作業」的にこなしているだけ。今回も同じように、「水俣病患者・被害者」の方々に対する冒涜行為だと思います。

イトウ環境相は当初「マイクを切ったあとも声が聞こえていたから」よかゴニョゴニョほざいていましたが、8日になって、水俣を再訪して「謝罪」しました。1週間も経ってからの「謝罪」は結局「炎上」したからでしょう。つまり、人から言われないと「反省」も「謝罪」もしないのです。

このイトウ、「水俣病は環境省の原点だ」と声を詰まらせていましたが、「ウソ泣き」やめろよと言いたいですね。そういう風に「環境省」の仕事に意義と矜持を持っているなら、「一人3分間」というスケジュールはおかしいと官僚に注文をつけるはずです。ただの木偶の坊はとっとと辞めろと言いたいですね。(ジャッピー!編集長)