5月3日の当ブログで、NHK朝ドラ『虎に翼』の寅子(伊藤沙莉さん)の「法を道具に使うべきではない」という台詞が印象に残ったことということを書きました。まるで「改憲」を道具のように利用しようとしているキシダ文雄に向けているように感じたのです。

「憲法記念日」に放送されたこの回よりも前、寅子たち明律大学の法科学生たちがハイキングに行く回がありました。このとき、梅子(平岩紙さん)は子どもを連れて参加しますが、男子学生がこの子どもの目の前で、梅子の夫に妾がいることを面白半分に言う場面がありました。梅子も聞こえるところにいるのに、まるで妾がいることが立派だというような言い方をするのです。

花岡(岩田剛典さん)も「梅子さんの夫は立派に家庭を養っている」ことを理由に梅子の夫を正当化し、寅子が反論するという展開です。

当時は、浮気や妾を持つことが「男の甲斐性」だとかまるでステイタスのようになっていて、それが当たり前のようになっていたわけです。女は家を守り、夫の言うこと、やることに黙って従っていればいいというのが当たり前になっていたのです。寅子たち女性が学問をすること自体、ハードルが高かったことが描かれています。

最近、自民党のミヤザワ博行(アベ派)が辞職しました。元・防衛副大臣というよりは「裏金問題」で口止めがあったと告白したことで知られた人物です。(もっとも、その「口止め」の詳細は語りませんでした) このミヤザワは妻子がいながら、度重なる「買春」がバレて週刊誌に報じられました。中には、出会い系カフェで知り合った女性と都内のマンションで暮らしていたということもあったそうです。「パパ活」と呼ばれていますが、これは「妾を囲って」いたということですよね。「パパ活」なんてカジュアル?な言葉じゃなくて「妾を持っていた」と報道した方がいいんじゃないですか? 以前、「援助交際」という言葉もありましたが、これも「売春」「買春」とハッキリ書くべきだったと思います。

結局『虎に翼』の頃と少しも変わっていない「感覚」が残っているわけです。地位もカネも得て「女を囲う」ところまで来たことに「立派な男の証し」という意識があったんじゃないのかね。ミヤザワだけでなく、多くの男性議員にそういう「男性優位」という心の習慣があるのです。

モリ喜朗やアソ―太郎の度重なる「女性蔑視発言」を持ち出すまでもなく、そういう旧弊な意識がこびりついているのです。自民党がいくら「女性活躍社会」とか「多様性」とか看板を立てても、本気でないことは明らかです。(ジャッピー!編集長)