このところの当ブログで、先週『虎に翼』に登場した古谷敏さんについて書きました。

ウルトラマンのスーツアクターとして『ウルトラマン』全39回をつとめあげた努力が実り、古谷敏さんは『ウルトラセブン』では「ウルトラ警備隊」のアマギ隊員役になりました。念願の「顔を出して」の出演は夢のようだったと古谷敏さんは回想されています。

その「ウルトラ警備隊」同僚で、「ウルトラセブン」に変身するモロボシ・ダンを演じたのが森次晃嗣(当時は浩司)さんです。『虎に翼』では、贈収賄事件の黒幕?の貴族院議員という悪役を演じていました。

森次さん演じるモロボシ・ダンが印象に残るセリフを言った回があります。『ウルトラセブン』の第26回「超兵器R1号」です。ギエロン星獣が登場した回なので、覚えておられる方も多いかもしれません。

「ウルトラ警備隊」も所属する「地球防衛軍」がR1号という超兵器を開発します。その兵器の実験のため、生物がいないと判断したギエロン星に撃ちこみます。ところが、そこに生物がいて、しかもR1号によって変異して放射能をおびたギエロン星獣が地球に来襲するというストーリーです。

超兵器の開発について、モロボシ・ダンが「侵略者はそれに対抗してさらに強い兵器を作りますよ」と言います。これに対し、フルハシ隊員(毒蝮三太夫さん)は「だったら、こっちはもっと強い兵器を作ればいいんだ」と答えます。このとき、ダンは「それは血を吐きながら続ける悲しいマラソンですよ」と言うのです。

当時の米ソの対立、核を含む軍拡競争が背景にあるわけですが、今もこれが続いているというか、さらに進んでしまっているのです。キシダ文雄は防衛費をGDP比の2%、5年間で43兆円!に倍増して、アメリカから武器・兵器を爆買いしています。「敵基地攻撃能力」は「反撃能力」と都合よく言い換えられ、あげくは「殺傷能力兵器」の輸出まで進んでしまいました。アベ晋ゾーが「平和憲法」をないがしろにして目指した「戦争のできる国」を着々と完成させようとしているのです。

キシダは盛んに「抑止力」と言うけれど、強力な兵器が開発されればさらにそれ以上のを……とキリがないわけです。防衛費は青天井にあがっていくわけなんですか? モロボシ・ダンの言葉を突きつけてやりたいですね。血を吐きながら続けるマラソンは「倒れる」まで終わらないのです。(ジャッピー!編集長)