ひとつ前の当ブログで、小林旭さん主演の『黒い賭博師』(1965 中平康監督)を取り上げました。
賭博に魂を奪われた人間たちが見せる特殊な世界で、小林旭さん演じる氷室浩次が活躍します。賭博狂の紳士(益田喜頓さん)など、普通の世界では「失格」とみなされる人々ばかりで、一般社会から隔絶されています。
僕はずっと前に浅草の名画座で観たのですが、まずタイトルバックに流れた主題歌にぶっ飛びました。そのイントロは聞き覚えがあります。あ、「自動車ショー歌」だ!とすぐ分かりました。ご存知ですね。♪あの娘をペットにしたくって ニッサンするのはパッカード 骨の髄までシボレーで あとでひじてつクラウンさぁ~ ジャガジャガ飲むのもフォドフォドに ここらで止めてもいいコロナ~という風に、車や自動車会社の名前をダジャレに入れこんだコミック・ソング(作詞・星野哲郎さん、作曲・叶弦大さん)です。一度聴いたら、すぐ口ずさむようになれる素晴らしい曲です。
あれ、『黒い賭博師』に「自動車ショー歌」?と思っていたら、旭さんの唄が始まり歌詞が違うのです! ♪スマートボールでハンサムで~と始まるのです。そう、これは「自動車ショー歌」の歌詞を賭博やギャンブル用語などにした「替え歌」なのです。「自動車ショー歌」もすごいですが。この「賭博唱歌」もインパクトが強烈です。
歌詞を全部覚えていないのですが、♪コイコイ未来の色狂い~ ダイスダイスの人だかり~ これぞ男の手本引き~ とか、♪おいちょカブって猫かぶり~ バカラバカラの男より~ とか、よくもまあこれだけ歌詞にねじ込んだなあと感心しました。
歌詞をうろ覚えなのは、僕がこの「賭博唱歌」を聴いたのは映画を観たときだけだからです。たぶんCD化されていないんじゃないですかね。僕は『アキラ』という大瀧詠一さん監修の4枚シリーズのCDを持っていて、その「4」が「ユーモア・ソング集」で「自動車ショー歌」は入っていますが、「賭博唱歌」は入っていません。
テレビで歌われたところも観たことないし、もしかしたら「放送禁止」なのかも。水原一平の話題で持ちきりの今、リメイクするなら、♪いっぺい飲んで賭け狂い~ なんて歌詞が入りそうですね。(ジャッピー!編集長)