このところの当ブログで、明日3月31日(日)はNHK・FM『ディスカバー・ビートルズⅡ』が最終回スペシャルということを書いています。ビートルズが好きな僕は今から楽しみです。

最終回直前の3月17日(日)、24日(日)は2回にわたって「ねえビートルズ、曲をカヴァーされまくるってどんな気持ち?」と題して、他のアーティストが歌ったビートルズ・ナンバーを集めていました。

同じく僕が欠かさずに聞いている、FM東京『村上RADIO』のこともよく当ブログで取り上げていますが、。2019年6月16日(日)に「ビートルズ」特集がありました。だそうです。この『村上RADIO』は、オリジナル曲ではなくて他のアーティストが取り上げたちょっとひねったマニアックなカヴァーものをかけるので、「ビートルズ」のレアなカヴァー・ヴァージョンが聴けました。

ちょうどこの番組が放送された頃、『ビートルズ全213曲のカバー・ベスト10』(川瀬泰雄・著/ギターマガジン)という興味深い本が出ました。ビートルズの公式レコーディング213曲について、それぞれ他のアーティストがカヴァーしたものからベスト10を選ぶというもので、そのうちベスト3はレコード・ジャケットも紹介しレビューもついています。

歌の入ったものだけじゃなく「演奏」ものも入っているとはいえ、「全213曲について」というのがスゴくて、有名曲ではないものも全て網羅しているのです。よくもまあ、これだけ集めて聴いたものだと感心します。だって、『ワイルド・ハニー・パイ』や『レヴォリューション9』とか『ハー・マジェスティ』なんて曲にカヴァー・ヴァージョンがあるなんて(しかも10曲も!)思ってもいませんでした。1曲だけ、8曲しか集まらない曲(『ディグ・イット』です)があって、213曲×10のパーフェクトにならなかったのが惜しいです! 

金沢明子さんの唄った『イエロー・サブマリン音頭』が『イエロー・サブマリン』カヴァーの1位になっているのにニヤリとさせられます。他にも日本人アーティストだと、森山良子さんの『グッド・ナイト』や竹内まりやさんの『ユア・マザー・シュッド・ノウ』、原田知世さんの『フール・オン・ザ・ヒル』などが1位になっています。珍しいところでは、つのだ☆ひろさんの『プリーズ・プリーズ・ミー』も1位になっていて、これは聴いてみたことないので興味がそそられます!

全213曲ということで、ビートルズがカヴァーした曲のカヴァーという、いわば「孫カヴァー」も対象になっているのも面白いです。例えば、『チェインズ』は1位がキャロル・キングさんとなっていて「あれ、反則では?」と一瞬思ってしまうのですが、キャロル・キングさんは作曲者でも、『チェインズ』を最初に歌ったオリジナルはクッキーズという解釈です。

『カンサス・シティ~ヘイヘイヘイ』も1位が「高中正義さん&リトル・リチャードさん」で、これも一瞬「反則?」と思ってしまうのですが、『カンサス・シティ』自体、オリジナルはウィルバート・ハリソンさん(ビルボード誌1959年5月18~25日のナンバー1)のヒット曲で、既にリトル・リチャードさんがカヴァーだったのです。それでも、ビートルズがカヴァーしたのは、「ヘイヘイヘイ」をメドレーでつないだリトル・リチャード盤なので、「リトル・リチャード」単独でなく「高中正義さん&リトル・リチャードさん」を持ってきたという所が凝っています。ちなみに2位が「バック・イン・ザ・U.S.S.R」のポール・マッカートニーさんですから、ビートルズをビートルズ・メンバーがソロでレコーディングしたものは対象に入るのですね。そして3位は我が矢沢永吉さんらの「キャロル」ですから、ベスト3のうちに日本人が2人というか1人と1グループからんでいるわけです。

というわけで、えっ、こんなカヴァーがあったの? とか聴いたことない意外なヴァージョンが多数紹介されていて飽きないです。 (ジャッピー!編集長)