ひとつ前の当ブログで、2月18日(日)に観に行った「第97回キネマ旬報ベストテン授賞式」の最後、司会をつとめた笠井信輔アナウンサーが「今年の1位、2位は奇しくもトイレの映画ですね」と言ったことを書きました。

そう、『せかいのおきく』(2023 阪本順治監督)は主人公が江戸時代の「下肥買い」で、2位の『PERFECT DAYS』(2023 ヴィム・ヴェンダース監督)は主演の役所広司さんが公衆トイレの清掃員の役でした。(『PERFECT DAYS』については当ブログで1月6日~7日に書いたのでご参照ください)

『PERFECT DAYS』で役所さんが清掃するのは、実際に渋谷にある公衆トイレで「デザイナーズ・トイレ」と言われるオシャレな外観のものです。これらは設置に約1億2千万円かかったと言われていますが、それよりもはるかに高い金額がかかるトイレが作られるそうです。もうご存知ですね。2025年開催予定の「大阪万博」会場に設置される公衆トイレも、デザイナーだかクリエイターだかがデザインして、ひとつ2億円かかるとのことです。新聞によると、「デザイナーズ・トイレ」は8か所に設置されるそうです。

渋谷にあるトイレの倍近くのカネがかかるのです。しかも、渋谷と違って「万博会場」は半年という「期間限定」です。例の「大屋根(リング)」に約350億円が注ぎ込まれ、そしてこの「高額トイレ」です。「万博」のテーマには「SDGs」が入っていると思いましたが、たった「半年」のイベントに巨額を投じることのどこが「持続可能社会」なのか意味が分かりません。

批判が集まっても、ヨシムラ洋文・大阪知事も経産省の大臣も知らぬ顔で、どんどん進めようとしています。どうせ、「利権」ありきなのでしょう。「裏金」問題を見ても分かるように、この連中は「カネ」を集めることにかけては本当にハナがきくからなあ。

少し前に『沖縄狂想曲』(2024 太田隆文監督)というドキュメンタリー映画を観ました。その中で、2015年に当時のオバマ大統領の声明が出てきます。それは「普天間の基地をグアムに移す」と語っているのですが、当時報じたマスコミがなぜか「グアム」を「辺野古」と誤訳しているのです。耳で聴いても「グアム」と言っているのは明らかなのに「グアム」としたのは単なるミスとは思えません。何かの力が働いた「作為ある誤訳」と思えます。

つまり、「辺野古」に拘っているのは、実はアメリカではなく、日本の政府、企業などなのです。「辺野古」埋め立て工事費は3000億円から2兆5000億円に膨れ上がっています。これで得するのは誰なんでしょう。以前、当ブログに書きましたが、埋め立て工事に関わる「宇部興産」はアベ晋ゾーの関連会社です。「麻生セメント」(←誰の会社かお分かりですね)という会社も関わっています。

だから、沖縄の方々が「県民投票」して民意を示しても、工事を強行するのです。「大阪万博」の350億円リングや2億円トイレも中止しないのは、同じようなことが起きているからでしょう。主導する連中の頭の中は「いのち輝く未来社会」も「SDGs」なんかどうでもよくて、どれだけカネが自分の懐に入るかしかないのです。(ジャッピー!編集長)