ひとつ前の当ブログで、現在、絶賛炎上中の文科大臣・モリヤマ正仁が以前、母校の灘中・高で採択した歴史教科書にイチャモンをつけ、校長から「政治圧力だ」と批判されたことを書きました。

教育現場への「政治介入」を描いたドキュメンタリー映画『教育と愛国』(2022 斉加尚代監督)にも触れました。この映画については、当ブログ2022年5月19日に「『教育と愛国』、アベ晋ゾーが”道徳心”を謳うなんて悪い冗談としか思えない」を以下に再録します。

       *       *       *

このところの当ブログで、アベ晋ゾーが絶賛した『シン・ゴジラ』(2016 庵野秀明総監督)の内容や公開タイミングなどを見ると、ある意図を内包した国策映画の匂いがするという話を書きました。

映画は「権力」の手先に使われると、人々を一方向に導く危険性があるのです。そして、もっと「権力」の思う通りに導くのに使われる危うさがあるのは「教育」であることは言を俟たないですね。最近観たドキュメンタリー映画『教育と愛国』(2022 斉加尚代監督)には、じわじわと権力が「教育」に介入する様が描かれています。

アベは2006年、第一次政権で、戦後初めて「愛国心」を盛り込むのですから確信犯です。「お国のために命を捧げる」ことに何の疑問も持たない子どもたちを作り出してしまったことの反省から「教育基本法」があったのに、それを覆してしまったのです。その中には、2012年2月に大阪のシンポジウムで、アベ晋ゾー(当時は自民党政権ではなかったので一議員)が登壇している映像も出てきます。ここで、アベは「教育に政治家がタッチしてはいけないのかといえば、そんなことはないわけですよ。当たり前じゃないですか」なんてことを、ドヤ顔で言っているのです。

この男は、かつて戦前の日本が子どもたちにどんな教育をして、「少国民」や「軍国少年」を生み出し、戦争に突き進んでいって、若い命を散らさせたかを知らないんでしょうか。いや、分かってて、「回帰」しようとしているのでしょう。

アベは「日本人のアイデンティティをしっかり確率すべきです」とか「道徳心を育てなければいけない」とか述べていましたが、そういう男が何をやっていたかというと、「モリ」、「カケ」、「サクラ」、国会でもウソをまき散らし、国民を愚弄し、マスクで血税をムダ使いしても謝りもしないと。こんな人間が「道徳心」を謳うなんて悪い冗談としか思えません。

上記の2012年2月に大阪のシンポジウムでアベが言った「教育に政治家が介入してもOK」という言葉だけでも「アウト」ではないですかね。このとき傍らにいたのがマツイ一郎(当時は大阪府知事かな?)で、大阪は政治家の教育介入、現場統制の先鋒になるのです。教育が政治と化したのがまさにこの2006年だったと、『教育と愛国』を観るとあらためて知らされます。

        *        *        *

そして今、問題になっている「派閥裏金」、「旧統一教会」にしてもアベ晋ゾーがいつも中心点にいるわけです。これだけ、「道徳心」の欠けた日本を築いた諸悪の根源・アベ晋ゾー、今更ながら「反道徳」のシンボル以外の何ものでもありません。(ジャッピー!編集長)