ひとつ前の当ブログで、『破れ太鼓』(1949 木下惠介監督)をリメイクしたテレビドラマ『おやじ太鼓』に出ていたあおい輝彦さんのことを書きました。

『破れ太鼓』で木下忠司さん演じた音楽家志望の次男を誰が演じたのか覚えていないのですが、ちょっと気弱な長男役が園井啓介さんだったのはよく覚えています。園井啓介さんは主演映画も何本かある俳優でしたが、「脱税」が発覚して消えてしまいました。そのことにも触れた、当ブログ2023年11月27日「”申告漏れ”のチュートリアル・徳井義実さんと、”所得隠し・脱税”で消えた園井啓介さん」を以下に再録します。

       *        *        *

ひとつ前の当ブログで、2019年の大河ドラマ『いだてん』で、1964年東京五輪の女子バレーボール監督・大松博文監督を演じた「チュートリアル」徳井義実さんが「申告漏れ」によって……と書きました。

しかし、よく考えてみると、国税局への数年にわたる「申告漏れ」と報道されていますが、1億円を超える巨額だし、もう事実上の「脱税」ではないですかね? それを「申告漏れ」なんて、「つい、うっかり」みたいな表現っておかしいと思った記憶があります。たしか、「申告漏れ」する一方で、徳井さんは買った服とかを番組で着るかもとか、旅行行けばそこで見聞したことがのちにトークとかのネタになるとの理由で経費として申告していたと報じられていました。こんな風に細かいことも申告するマメさがあって、一方では所得を隠している……って、ご本人が言う「想像を絶するだらしなさ」とは違う「悪質」さを感じますね。

それなのに「脱税」と書かず「申告漏れ」と表現するのは、やはり「吉本忖度」ですかね。国家権力とズブズブベッタリの吉本の意向で、罪の軽い「申告漏れ」とされているのではと勘ぐってしまいます。

かつて、吉本創業者・吉本せいは贈賄、脱税容疑で収監されています。創成期から権力にすり寄って「優遇」されていた吉本興業、今も政府から100億円!もの事業資金を出してもらう(もちろん税金からです)とか、カジノ利権に絡んでいたり、あげくは民主主義の破壊者・アベ晋ゾーを「吉本新喜劇」の舞台にあげる(6つ前の当ブログ参照)など、相変わらずの権力との「親密」ぶりです。そんな吉本の芸人ですから「脱税」じゃなく「申告漏れ」などと甘い表現が使われているのでしょう。本当に、隅々まで「権力への忖度」が行き渡っていて気持ち悪い世の中です。

かつて、園井啓介さんという俳優がいました。『事件記者』シリーズ(1959~ 山崎徳次郎監督)にも出ていましたし、松竹ではメロドラマでかなり活躍された方でした。

特に『あの橋の畔で』四部作!(1962~1963 野村芳太郎監督)では、桑野みゆきさんを相手役に堂々の主演をつとめたほどの活躍でした。僕はかなり前に「ラピュタ阿佐ヶ谷」で4本をきっちり、合わせて約6時間の大河メロドラマを観ました! しかし、園井さんは1970年代に入ってから「所得隠し」「脱税」が発覚し、芸能界引退を余儀なくされ、以後まったく見かけなくなりました。

徳井さんはしばらく出演自粛してから、今は何ごともなかったかのように出ていますね。バックに「権力」がついていると、やはり違いますね。

       *        *        *

園井啓介さんのように「脱税」で消えてしまう俳優もいれば、「吉本」という強力バックに守られ復帰する芸人もいるわけです。そして、今、もっと大きな権力によって裏金議員たちの「脱税」がなし崩しにされようとしています。こんなことがあっていいのでしょうか! (ジャッピー!編集長)