このところの当ブログで、今の「派閥裏金」問題で『仁義なき戦い』シリーズ(1973~1974 深作欣二監督)を彷彿させる場面をあげています。

『仁義なき戦い・頂上作戦』(1974 深作欣二監督)で加藤武さん演じる打本親分が腰抜けで敵対する武田明(小林旭さん)に捕まるとペラペラと襲撃計画を喋ってしまいます。「バカな大将、敵より怖い」の典型です。そもそも、神戸の大組織が介入したこの抗争の発端は路上のケンカなのですが、打本親分がきちんと落とし前をつけなかったから一大抗争に発展したのです。それが描かれるのは『仁義なき戦い・代理戦争』(1973 深作欣二監督)です。

この『代理戦争』では、広島最大の組織の組長となった山守親分(金子信雄さん)が、神戸の明石組幹部をクラブで接待するシーンがあります。ご機嫌の山守は、自分の傘下にいる幹部たちを紹介するのですが、「ウチじゃあ、こいつが一番しっかりしとって、金も6000万円ほど持っとりますからのう」と武田(小林旭さん)を指していいます。続けて、松永(成田三樹夫さん)を指し「次はこいつで4000万円ほどでしょうな」「この槙原(田中邦衛さん)もこれで3000万は持っとりますけん」「この江田(山城新伍さん)は出所したばかりですし、あとの奴は一山なんぼのもんですわ」と言うのです。

つまり、山守にとって子分の格は「持っているカネ」が全てで、もちろんそこからの上納金の高低によるのです。先日、掛け値なしのアホ・タニガワ”頭悪いね”弥一がトンデモ辞職会見で「大臣並みにカネを集めようと思った」とみっともない嘆き節をほざいていましたが(当ブログ1月24日参照)、まさに「派閥」はカネがモノ言う集団だったことが分かります。政策研究も勉強もあるはずないのです。

要するに、カネで選挙区の地盤を固め、カネで政務官や大臣といったポストがまわり、それに群がる連中がさらにカネを集めて上納して、拡大していったのがアベ一強政権だったのです。そして、「やりたい放題」になったのが今、僕たちの目の前に露わになっているのです。「美しい国」も「道徳教育」もへったくれもない、カネ狂い。やっぱりアベ政権とは「一強」ではなく「一狂」だったのです。

それにしても、『仁義なき戦い』が現実世界でこうも再現されているとはねえ。これからご覧になる方は、話がつながっている『代理戦争』→『頂上作戦』とセットで鑑賞してください。(ジャッピー!編集長)