さらに続けて、当ブログ2021年2月3日に書いた「安い任侠映画のような”兄貴分と弟分”の謝罪」を以下に再録します。

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ひとつ前の当ブログで、『ゴッドファーザー』(1972 フランシス・フォード・コッポラ監督)も引き合いに出して、「ファミリー」について書きました。「ファミリー」というと聞こえがいいですが、そこに入っていない他者、あるいは世間はどうでもいいということでもあります。世間から隔絶された所で、そこでしか通用しない掟に縛られるということでもあります。吉本興業のオカモト社長が「ウチはファミリー」と称して、契約書も交わしていないなんてドヤ顔で言っていたのは、今の世の中では考えられません。いまだに創業当時のままというのは、「伝統」というより、経営側に都合がいいから放置していただけでしょう。6000人もタレントを抱えて年商1千億円といわれる大会社のやることではありません。「ファミリー」とは、自分たちの利益を守ることが何よりも優先される怖ろしさがあります。

日本のヤクザも「○○一家」と名付けられるように、一種の疑似「家族」なわけです。家を追い出されたり、自分から追ん出た若者が、また「家」に入って「親」分の「子」分になるわけです。そこでは、親分の言うことは絶対で命も差し出さなくてはなりません。僕が延々観て来た任侠映画の「悪い」一家はもちろん、主人公がいる側の一家も例外ではありません。組織を保存するためには理不尽なことにも従わなくてはならず、多くの映画ではヒーローもその葛藤に苦悩し、そこにドラマが生まれるのです。

今回の自民党のマツモト純議員、当初は夜の銀座クラブで「一人で訪問していた」と会見していましたが、後輩議員2人を引き連れていたことが発覚し、謝罪会見をしました。なぜウソをついたのかと問われて、マツモトは「前途ある若い後輩議員のことを思って、ウソを言ってしまった」だと。同行していたオーツカ、タノセ両議員も「私たち2人をかばおうと『一人で行った』と説明しているのを知っていた。本当に心苦しい思いで日々過ごしていた」だってさ。

兄貴分が俺たちをかばって罪を背負ってくれているので苦しかった……ということですか。何だか安っぽい任侠映画みたいです。もう呆れるしかありません。この安手の言葉からは、オーツカ、タノセの二人は、「マツモト先生」に悪いと思って一週間苦しんでいたとしか聞こえません。お前たちが本当に謝るべきで、心苦しいと思うべきは、お前らに給料を払っている国民に対してだろうが。「ファミリー」の兄貴分にくっついているだけの自分の無能と意識の低さを恥じ入るべきですよ。とっとと辞職してしかるべきなのに、離党だけでお茶を濁そうとするとは盗っ人たけだけしいです。

どうせ、ちょこっと「離党」して、国民が忘れたら「復党」しようというシナリオでしょうね。このあたりも任侠映画の「いったん所払い」みたいなものでしょうね。 

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上のブログを書いたのは2021年2月でしたが、その後、予想通り、3人はちゃっかり自民党に「復党」しました。今回の「裏金問題」で逮捕されたイケダ佳隆は速攻で「除名」となり、もうウチの「組」とは関係ないのだと言わんばかりですが、一方、やはり立件されたオーノ泰正、谷川”頭悪いね”弥一は「離党届」を出し受理されたとか。「除名」じゃないんだね。この「違い」、何かあるんですかね? 事情通の方、教えてください。(ジャッピー!編集長)