ひとつ前の当ブログに続いて、当ブログ2021年8月21日に書いた「『ひよっこ』、ムネオ叔父さんを演じた峯田和伸さんが適役でした」を以下に再録します。

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ひとつ前の当ブログで、2017年前期の朝ドラ『ひよっこ』で印象に残ったシーンとして、ムネオ叔父さん(峯田和伸さん)が戦場で敵兵(イギリス兵)と遭遇したときのエピソードをあげました。

いつも笑っていて楽天的に見えるムネオ叔父さんの明るさは、招集された辛い戦争体験で得た「拾った命だから笑って生きよう」という思いからだったのです。そんなムネオおじさんは後述するように、イギリスの「ビートルズ」のファンなわけですが、納屋をビートルズの写真やグッズだらけにしている様は、当時はこんな言葉はなかったですが、今なら「ビートルズ・オタク」といえるでしょう。そんな人物に峯田さんはバッチリの適役でした!

峯田さんが今まで映画で演じてきた役柄に繋がっているという感じがします。みうらじゅんさん原作の『アイデン&ティティ』(2003 田口トモロヲ監督)の主人公のしがないミュージシャン、同じくみうらじゅんさんの自伝的原作の映画化『色即ぜねれいしょん』(2009 田口トモロヲ監督)では、童貞をこじらせた主人公の少年が夏休みに泊まるユースホステルの管理人役で登場し、いきなりボブ・ディランを歌ったりします。

そして、『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(2009 三浦大輔監督)では、峯田さんは彼女もなく会社でもバカにされる不器用なサラリーマンに扮し、やっとつかんだ恋のチャンスに大爆走します。銀杏BOYZの主題歌も聴けるし、男泣き必至の名作です!こういった、文系・オタク系の峯田さんのキャラクターを『ひよっこ』はうまく活かしているなあと感じます。もしかしたら、峯田さんを想定したアテ書きで、はじめから「峯田さんありき」のキャスティングかもしれません。

そして、ムネオおじさんが初めて戦争体験を語り、戦地で会ったイギリス兵の笑顔、せっかく生き延びた命だから「笑って生きとおっと!」と話すシーン、「大きな声出すと、気持ちいいだろ。それに笑えてくるだろ。ビートルズを好きなのはそういう所だ。あいつらが大きな声で唄うのは遠くまで届かせたいからだ」というムネオさんに同感です。

僕もビートルズを初めて聴いたときに感じた、あの解放感、幸福感、これはきっと時代も国も超えて普遍的なものなのだと思います。  

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さらに次のブログに続きます。(ジャッピー!編集長)