ひとつ前の当ブログの最後の方で、アメリカのポンコツ輸送機「オスプレイ」が実は『帰ってきたウルトラマン』に出てくる「マットジャイロ」機にそっくりと書きました。本当に「マットジャイロ」をモデルに作られたという話もあるそうです。

その『帰ってきたウルトラマン』は、1971年4月2日から1972年3月31日までの1年間放送されました。『ウルトラセブン』が終了して2年半のブランクのあとの放送です。この番組で「ウルトラマン」(のちに「ウルトラマン・ジャック」と名付けられました)に変身する主人公の名前は「郷秀樹」。まるで郷ひろみと西城秀樹を合わせたような名前だなあ!とは思いませんでした。なぜなら、このお二人のデビューは翌1972年なので、この番組の方が早かったのです。

この「郷秀樹」に扮したのが団次郎さんです。団次郎さんは今年2023年の3月22日に74歳という若さで亡くなられました。今、年末ということでテレビでも「今年亡くなった有名人」を振り返るコーナーが多いですが、団次郎さんに触れている番組がないので不満です。今朝のTBS『サンデーモーニング』の「墓碑銘2023」でも出てきませんでした……。

団次郎さんは日本人とアメリカ人のハーフでCMモデルなどで活躍されました。僕が覚えているのは、やっぱり資生堂の「MG5」の広告ですかね。団次郎さんのあとに出て来たのが草刈正雄さんというわけです。

「団次郎」という名前は、実は映画『わが命の唄 艶歌』(1968 舛田利雄監督)の中で演じた役名で、そのまま芸名にしたのです。『わが命の唄 艶歌』は五木寛之さん原作の渡哲也さん主演映画ですが、新米レコード・ディレクターの渡さんが出会う「演歌の竜」(実在の人物がモデル)に扮した芦田伸介さんが強い印象を残すバックステージものです。

渡哲也さんが担当して演歌歌手に育てるのが水前寺清子さんで、他にも美川憲一さん、一節太郎さん、黒沢明とロスプリモスなども出てくる中、団次郎さん演じる「団次郎」も歌手として1曲歌います。歌手として活動していた記憶はないのですが、とにかく、背の高さが際立っていてカッコよくて映えていました。後年は「団時朗」と改名されて、ミュージカル俳優として舞台で活躍されましたが、その原点がこの映画の歌手役にあったのかもと思いました。(ジャッピー!編集長)