9月1日に「角川シネマ有楽町」で開催されていた『ピーター・バラカンが選ぶ音楽映画祭2023』に行き、『リバイバル’69~伝説のロック・フェス』(2022 ロン・チャップマン監督)上映とピーター・バラカンさんのトークを観た話を続けます。

当初は、ジョン・レノンさんにMCをお願いしようと思ったら、思いのほかノッてくれてライヴまでやってくれることになり、「ロックンロール・リバイバル・ショー」当日の前日に即席バンドを結成。それが「プラスティック・オノ・バンド」だったのです。メンバーは、レノンさん、オノ・ヨーコさんの他にギターにエリック・クラプトンさん、ベースがクラウス・フォアマンさん、ドラムスにアラン・ホワイトさんです。クラウス・フォアマンさんはビートルズの『リボルバー』のアルバム・ジャケットを描いたことでも知られています。ここでバラカンさんが、客席に向かって「レノンさんと本格的な演奏共演は初めてですよね? 藤本さん」と呼びかけました。「ビートルズ」といえばこの人、藤本国彦さんが客席にいて、壇上から確認をとったのでした。それにしても、さすが藤本国彦さん、「ビートルズ」関連というと常にいらっしゃいます。僕も藤本国彦さんのサインを2回、もらっています。

そうして速攻で作られた「プラスティック・オノ・バンド」は、イギリスからカナダに飛ぶチャーター機の中でセッション練習したのはよく知られていますね。その模様も映し出されます。そして、空港に着くと、ジョン・レノンさん一行を迎えたプロモーター、ジョン・ブラウワーさん側が用意していたのが「バイカー」集団です。「ヴァガボンズ」というバイカー・チームが先導してトロントの会場までレノンさん一行を連れていきます。この場面で思い出すのは、「オルタモントの悲劇」です。ローリングストーンズのライヴでセキュリテイを担当した暴走族グループ「ヘルズ・エンジェルズ」が観客の黒人青年を刺殺してしまった事件です。

この「オルタモントの悲劇」は、「ロックンロール・リバイバル・ショー」の3か月あと。既に書いたように、この「ロックンロール・リバイバル・ショー」は「ウッドストック」の1か月あとですから、「愛と平和の3日間」と「オルタモントの悲劇」の中間に開催されていたのです。

「ウッドストック」や「オルタモント」があったので陰に隠れた感じですが、「この『ロックンロール・リバイバル・ショー』がこんなにハチャメチャなものとは誰も知らなかったんです」とピーター・バラカンさんはトーク開巻早々おっしゃいました。その模様は次のブログにて。(この項、続く) (ジャッピー!編集長)