ひとつ前の当ブログの続きです。

ハウリン・ウルフさんやマディ・ウォーターズさんといったブルース界のスターのバックで演奏してきた「サイドマン」にスポットライトを当てた『サイドマン:スターを輝かせた男たち』(2016 スコット・ローゼンバウム監督)は、貴重な証言を交えて「ブルース」から「ロック」への発展という歴史を辿っています。

若き「ローリング・ストーンズ」がハウリン・ウルフさんが英国に来たとき空港で出迎えたという、リスペクトにあふれていたエピソードが紹介されたことをひとつ前の当ブログに書きました。

また、ウルフさんと英国ミュージシャンがセッションをすることになって、エリック・クラプトンさんも参加。「サイドマン」のヒューバート・サムリンさんに「スライド・ギター」のテクニックを教えてもらうのですが、憧れのギタリストを前に緊張しているクラプトンさんを他のメンバーが背中を押して、ようやく近づけたという若きクラプトンさんの初々しさが微笑ましいエピソードも出てきます。それだけに、後のあの「人種差別発言」はショックでした。(4つ前の当ブログをご参照ください)

こんな風に「英国」の若いミュージシャンよってリスペクトされ模倣された「ブルース」が「ロック」に発展し、アメリカに逆輸入され「ブリティッシュ・インヴェイジョン」旋風が巻き起こるのでした。

映画の中で「ビートルズ」も「ローリング・ストーンズ」も「レッド・ツエッペリン」もブルースがなかったら生まれていなかったと言われるのも当然です。

そして、ジミ・ヘンドリックスさんも圧倒的なギター・パフォーマンスで台頭したのは、アメリカから英国に渡ってからです。ウルフさんのバンドが演奏するステージに客席から飛び入りしたジミさんがいきなりギターを手にとると「歯」で「キリング・フロア」を弾き出したんでビックリしたという証言が紹介されます。

「ヒューバート・サムリンのギターにアンプを繋いだらジミだよ」という証言もありますから、やはりジミさんもヒューバートさんの奏法に影響を受けていたのでしょう。「サイドマン」の3人が「あいつは凄かった」と口を揃え、「ブルースとロックをつないだのはジミ」という賛辞もありましたから、やはりジミ・ヘンドリックスさんはロック史での重要人物なんだなあと改めて思いました。映画を観て帰宅した僕がジミ・ヘンドリックスさんのCDを引っ張り出して聴いたことは言うまでもありません。 (ジャッピー!編集長)