政権に強烈にメッセージを放った2021年大河ドラマ『青天を衝け』最終回について続けます。当ブログ2021年12月31日「排他的で冷酷な権力者たちに言いたい“困っている人がいたら助けるのが当たり前だろ!”」を再録します。

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ひとつ前の当ブログで、12月26日に最終回を迎えた大河ドラマ『青天を衝け』のラストについて書きました。

渋沢栄一(吉沢亮さん)が亡くなり、故郷の血洗島で農業に従事していた頃から、攘夷運動、維新に関わり、外国派遣……と激動の時代をフラッシュバックしたのち、まるで「農」という原点に回帰したかのように働いている栄一の幻影?が孫の敬三(笠松将さん)に呼びかけます。その「おーい、今の日の本はどうなっている?」と言う問いかけに、敬三が「恥ずかしくて、とても言えません!」と答えるのです。これは、明らかに今の日本の現実を揶揄していると思います。ズルとウソが横行し、自分たちの権力を保持するためには人の命なんてどうでもいいという冷酷で無慈悲な政権が居座って、腐れ切った国になってしまったことを表しています。

この最終回では、渋沢は関東大震災で世界から支援を受けたことに感謝します。水害で大きな被害を出した中国に対しての「支援」を強く訴えるシーンもありました。他の人たちが渋る中、渋沢が「困っている人がいたら助けるのが当たり前だろ!」と叫ぶのです。僕は、このセリフは「自助」ファーストとかドヤ顔でぬかしたガースーに対するアンチであると見ました。

また、渋沢が米国における移民である日本人たちが不当な扱いを受けることにも抗議の主張をしますが、当然ながら、これは名古屋入管で酷い扱いを受けてなくなったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんのことを想起させます。(当ブログ2021年7月18日をご参照ください) 「北京冬季オリンピック」を「外交ボイコット」(はっきり言ってませんが事実上ボイコット)した日本、たしかに新疆ウイグル自治区の問題など、中国の人権問題は看過できないものですが、「人権問題」に関していえば日本だって人のこと言えないんじゃないんですかね。

弱い立場の人たちに寄り添うことを放棄し、他の国の人には排他的で、核兵器禁止条約には参加せず、本当にこの国は恥ずかしすぎます。笠松将さんが発した「恥ずかしくて、とても言えません」、その通りなのです。自分の国を誇りに思えないとは、何と悲しいことでしょう。しかし、それが今の日本の現実なのであります。

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ガースーからキシダ文雄に変わっても、弱者は置いてけぼり、民意は無視と、この国の「恥ずかしさ」はますます強まっていることは周知のとおりです。 (ジャッピー!編集長)