ひとつ前の当ブログで、山手線の新駅「高輪ゲートウェイ」のネーミングについて、「芝浜」の方が日本文化の発信という点でもよろしいんじゃないかと書きました。

山手線と「落語」といえば、昭和世代には「柳亭痴楽」師匠(「柳亭痴楽はいい男~鶴田浩二や錦之助、あれよりずっといい男~」のフレーズでお馴染み)の『恋の山手線』がありました。冒頭が「上野をあとに池袋~走る電車は内回り、私は近頃、外回り~」で、子どもだった僕はこのフレーズで「内回り・外回り」を覚えたほどです。

七五調の節回しで駅名を入れこんでいくスタイルは、小林旭さんの唄う『恋の山手線』にもつながります。こちらは、♪上野オフィスのかわいい娘、声は鶯谷わたり~日暮里笑ったあのえくぼ~ という歌詞でした。『自動車ショー歌』と並ぶ傑作だと思います。当然ながら、1971年開設の「西日暮里」駅は入っていません。(痴楽さんの方は亡くなる直前に「西日暮里」を盛り込んだヴァージョンを披露したらしいですが)

「西日暮里」駅ができたときのことはよく覚えています。というのは、当時、北千住に親戚が住んでいたのでさっそく「千代田線」との乗り換えで利用したからです。当然ながら、田端ー西日暮里ー日暮里の駅間が短いなあ!という驚きがありました。駅を出たと思ってらすぐ西日暮里に到着という感じ。

あのときは別に駅名公募なんかしなかったと思うし、「西日暮里」というシンプルな駅名を普通に受け入れてました。「高輪ゲートウエイ」は公募という形をとりましたが、1位は8000票以上集めた「高輪」、2位は4000票強の「芝浦」、3位が3500票近い「芝浜」でした。やはり、人々はシンプルなものを望んでいることが分かります。特に「高輪」は2位にダブルスコアの大差をつけているのだし、これが山手線の他駅とのバランスを考えて「新駅名」にふさわしいという意見が多いのです。

それなのに、公募結果130位の「高輪ゲートウェイ」にするってどういうことなんでしょう? これなら公募する意味ないじゃん!と誰でも思ってしまいますね。しかも「高輪ゲートウェイ」を推した36票はある広告代理店の組織票だったという噂もありますから、利権がからんだ「出来レース」だったのです。結局、国民の意見や考えを聞かないという点では、アベ一狂以来の政権と同じですね。「特定秘密保護法」「安全保障関連法」「TPP関連法」……それぞれ国民の反対が6~8割あっても押し切るような姿勢が隅々まではびこっているのです。 (ジャッピー!編集長)