ひとつ前の当ブログに書いたように、9月3日の日曜日、『福田村事件』(2023 森達也監督)を観に「横浜シネマリン」まで行きました。

僕はかなり前に、森達也さん『世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい』という本を読んで「福田村事件」のことを知って、さらにそれが映画化されると聞いたときから完全に「前のめり」になって公開を待っていました。

3日(日)は朝早く家を出て、午前中早目に「横浜シネマリン」に着きました。12時25分からの『キャメラを持った男たち―関東大震災を撮る―』(2023 井上実演出)は無事にチケット購入できましたが、14時からの『福田村事件』の席は完売。補助席が出されており、かろうじてその席のひとつのチケットをゲットできました。

パイプ椅子での鑑賞となりましたが、映画に引き込まれてまったく気になりませんでした。それほど、その映画が発する熱量がものすごく、圧倒されたのでした。

まだ公開されたばかりなので、これから観る方のためにも詳しいことは書きません。とにかく大傑作だということだけは言っておきたいです。その脚本、構成、演出の素晴らしさ、俳優陣の演技にも心を奪われました。

大正時代、関東大震災の当日から5日までを描いた映画ですが、今の日本が見えてきます。同調圧力、差別、デマ、集団心理、権力の横暴、女性への不当な扱い、メディアの機能不全……すべて入っています。とにかく多くの人に観てもらいたい映画です。

ネタバレを避け、詳しくは書きませんが、ひとつだけ印象に残ったセリフをあげます。木竜麻生さん演じる女性新聞記者のセリフです。「私たち新聞は何のために存在するんですか。 読者を喜ばせるためですか。それだけですか。権力の言うことはすべて正しいのですか」、このセリフを自分たちの役割を忘れた今のメディアに関わる人たちに突き付けたいです。(ジャッピー!編集長)