このところの当ブログで、7月9日の『サンデー・ソングブック』における山下達郎さんの発言について書いています。

この山下達郎さんのスピーチには矛盾が多く、自分に都合よく言っている印象です。簡単にいうと「詭弁」ということですが、要するに「ジャニー喜多川」はいろいろ問題はあっても功績の方が大きい、「負」より「正」が勝っているということが言いたいのでしょう。

そこに自分の曲を起用してくれたジャニー喜多川に対して「恩義」があるにしても、それまでの山下達郎さんの言動や書いてきた歌詞の内容とはまったくそぐわない姿勢です。今後、山下さんの曲を聴いても、性加害にあった「弱者」よりも「権威」に尻尾をふったことが思い出されてしまうでしょう。

山下さんは件のスピーチの中で「作品に罪はありませんし、タレントさんたちも同様です」とも述べていました。そうなんでしょうが、聴き手の方はどうしたって、その曲を作り歌っている人物がどんなことを言ったか、どんな人物かがチラつくものです。同じ曲が、この発言のあとは別の感触をもたらすこともあるでしょう。

ひとつ前の当ブログにも書きましたが、ジャニー喜多川に恩義を感じているならば、むしろその罪についてモノ申すべきだったでしょう。今回の「性被害」の告発に賛同した署名がジャニーズ・ファンによって集められたように。

そこで、山下さんにはジャニー喜多川を糾弾するような曲を発表してほしいですね。過去にも、『HEY REPORTER!』(アルバム『FOR YOU』収録)という曲では♪ある事、ない事、生きようが死のうがお構いなしさ~ と芸能レポーターを批判したり、♪イカサマな政治屋か、ワガモノのゼネコンか~など権力者や強者を強烈に揶揄する(『俺の空』=アルバム『RAY OF HOPE』収録)など、強烈な毒を放った曲があったのです。山下さんなら書けるはずです。

山下さんはスピーチの中で「私はあくまでミュージシャンという立場からタレントさん達を応援していこうと思っております」と言ってますしね。ミュージシャンとして一曲、ぶちかましてほしいです。

(ジャッピー!編集長)