3つ前の当ブログで書きましたが、6月16日に65歳で亡くなった広島東洋カープのレジェンド・北別府学さんはコントロールで勝負するタイプですが、それだからこそマウンド上での気迫、強気な姿勢は目をみはるものがありました。

特に、北別府学投手の場合、スライダー、シュートといった横の変化球で打ち取るタイプなので、打者の内角を攻めなければ投手として生きていけないのです。どんどん内角を攻めますから、時には当ててしまうこともありますから、相手打者が先輩だとか大打者だとか気にしてはいられないのです。

だから、北別府学投手は現役時代、他球団の選手と口をきくこともほとんどなかったといいます。他球団の選手と仲良くなったりすれば、打席に迎えたときにどうしても厳しく攻めることができなくなるからだと聞いたことがあります。いつもと同じような投球をしようと思っても、無意識のうちに「甘く」なってしまうのでしょう。

仲が良くなったら、どうしても闘争心が少なくなってしまいます。そのため、北別府学さんは極力、他球団の選手と親しく口をきかなかったわけですが、今のプロ野球はというと、何だか「仲良し」ムードが強すぎる気がします。

オフの「自主トレ」期間には、有名選手に「弟子入り」して他球団の選手までが一緒になって練習するなんてことが当たり前になっていますが、こんな風に「仲良し」になったら、いざ本番の試合になったら「厳しい勝負」なんて出来ないじゃあないかと思います。第一、こんなに群れてやっていたら「自主トレ」じゃないですよ。

もうひとつ、これは五輪やWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)といった国際大会の影響もあります。普段戦っている選手たちが「ワン・チーム」になって「仲良し」になっては、その後、厳しい攻めなんてできないでしょう。国際大会は盛り上がるけれど、ペナントレースでのヒリヒリした勝負や「闘争心」が失われた一面もあると思います。(ジャッピー!編集長)